甲武信鉱山
※この産地は大変広くて迷いやすいので、なるべく一人では行かないようにしましょう。そして、体力とやる気のない方は行かない方が良いでしょう。 1、産地概要 甲武信鉱山は近くにある甲武信ヶ岳が名前の由来と考えられ、甲武信の甲は甲斐の甲、甲武信の武は武蔵の武、甲武信の信は信濃の信という意味で、甲武信ヶ岳は長野、埼玉、山梨の3県にまたがっているが、甲武信鉱山は長野県の川上村にある。 地元では「梓鉱山」と呼ばれているので、注意が必要である。 この甲武信鉱山は大変範囲が広く、様々な種類の鉱物を産出する。 前はこの山一帯がきのこ山だったらしいが、鉱物好きの「湯沼鉱泉」という宿の社長さんがこの山一帯の土地を買い取ったので、今では入山料を払えば気兼ねなく鉱物採集ができる。 2、主なポイント ・甲武信鉱山 @第一テラス 甲武信鉱山の登山口から登り始めて約10〜15分で着く平らな場所。 この下にあるズリとここにある坑道の中には何もないので、休憩地点として使われている。 A柘榴石ズリ 第一テラスの上にある小さなズリ。 所々に掘った跡があるが、意外と分かりづらい。 B柘榴石露頭 柘榴石の生成過程が分かる場所として保存されている部分もあるが、その露頭(上の方にある)以外の場所では柘榴石が採取できる。 露頭は主に2箇所あるが、柘榴石が保存されている露頭付近ではなかなか良いヘスティング閃石を産出する。 C第二テラス 第一テラスから急な斜面を道なりに登っていくとある。 ここにも坑道があり、中はなかなか広く、柘榴石や方解石を採集できるが、縦穴があるとの噂があるので注意が必要である。 また、落石が意外と多いのでそこも注意が必要である。 Dベスブ石露頭 ここの露頭は上段と下段に分かれていて、ベスブ石の本露頭は上段にあるが上の方に行くには注意が必要。 昔は1〜2cmのものがたくさんあったらしいが、今では珍しい。 E方解石坑道 ベスブ石の本露頭から少し下った所にある坑道。 中には大きな方解石がたくさんあるが、同時に蛾らしきものの死体もたくさんある。 意外と影が薄い坑道でもある。 F第一松茸水晶ズリ 一時期の松茸水晶ブームで木が倒されたりした超有名ポイント。 かなり掘り起こされているが、運が良ければ今でも良品が採集可能である。 G第二松茸水晶ズリ ここはズリという感じはあまりしないが、かなり掘り起こされてはいる。 ここのものはかなり汚いので、蓚酸や塩酸での処理が必要である。 H第三松茸水晶ズリ 最近になって見つかったらしいポイント。 第四松茸水晶ズリというのも見つかったらしいが、未確認である。 I柱石露頭 立派な柱石を産出した露頭だが、小さい露頭なので既に採りつくされているうえ、非常に場所が分かりづらいため、行く人はほとんどいないそうだ。 J灰重石坑道(ミニツイン) 有名な坑道。質の良い灰重石を産することで有名だが、日本式双晶も産出するらしい。 ・川端下(かわはげ) 甲武信鉱山とは尾根を挟んで反対にある産地。 前は普通に川端下側から川端下を目指すルートがあったが、辛く、迷いやすいルートであるうえ、地元の人に川端下側からの登山を禁止されたので、今では甲武信鉱山側から尾根を越えて行かなければならない。 大きな水晶を産出することで有名だが、行き着くのが大変なうえ、質の良いものは案外ない。 3、産出鉱物 1)、灰鉄柘榴石 andradite 化学組成 Ca3Fe2(SiO4)3 珪酸塩鉱物 黒色〜暗緑色〜褐色の結晶として産することが多いこの鉱物は、色が地味だが、一部のものは「レインボーガーネット」と呼ばれるほど美しく輝いているものがある。基本、灰礬柘榴石との区別がつかないので、ラベルを作るときは注意が必要。 主に甲武信鉱山の最初のザクロ石ズリやザクロ石露頭で産するが、どこでもでるといってもいいほど広い範囲で産する。 2)、灰礬柘榴石 grossular 化学組成 Ca3Al2(SiO4)3 珪酸塩鉱物 12面体と24面体の結晶として産することが多いこの石は、主に緑色〜黄緑色〜褐色や、ピンク色・無色透明の結晶として産する。 特に、黄色で宝石質のものを「ヘッソナイト」、緑色で宝石質のものを「ツァボライト」という。基本、灰鉄柘榴石との区別がつかないので、ラベルを作るときは注意が必要。 主に甲武信鉱山の最初のザクロ石ズリやザクロ石露頭で産するが、灰鉄柘榴石と同じく、どこでもでるといってもいいほど広い範囲で産する。 3)、方解石 calcite 化学組成 CaCO3 炭酸塩鉱物 方解石は、石灰石や大理石、さらには洞窟にある鍾乳石を構成している鉱物で、セメントに使われたり、建物の床や壁に使われたりと用途は幅広い。 菱形の結晶が特徴で、ここでは主に第二テラス(ベスブの下)付近と方解石坑道で産するが、どこでも産出するといっていいほど広い範囲で産する。 また、川端下では大きいものや透明度が高いものを産出する。 4)、ベスブ石 vesuvianite 珪酸塩鉱物 化学組成 Ca19(Fe,Mn)(Al,Mg,Fe)8Al4(F,OH)2(OH,F,O)8(SiO4)10(Si2O7)4 イタリアのベスビオ火山が名前の由来のこの鉱物は、この鉱山では、黒光りした柱状結晶として産する。 組成が複雑だからか、黒以外には、緑、赤、青、白、紫、黄色などの多彩な色がある。 名の通り、海外ではベスビオ火山周辺や南アフリカ、ケベック、ウラル山脈から産する。 ここでは黒色のベスブ石がベスブ石露頭周辺から産する。 5)、灰鉄輝石 hedenbergite 化学組成 Ca(Fe,Mg)Si2O6 珪酸塩鉱物 輝石(単斜輝石)の一種で、黒〜緑〜黄褐色の結晶として産する。 地味なハズだが、何気に人気のある鉱物の一つ。 ここでは緑っぽい灰鉄輝石が主に灰鉄輝石露頭から産する。 6)、柱石 scapolite 珪酸塩鉱物 化学組成 Na4Al3Si9O24Cl〜Ca4Al6Si6O24CO3 この鉱物は、成分によって二つに分けられる。 一つは曹柱石(Marialite Na4Al3Si9O24Cl)といい、四角柱状の無色透明〜白色の結晶として産する。もう一つは灰柱石(Meionite Ca4Al6Si6O24CO3)といい、こちらも四角柱状の無色透明〜白色の結晶として産するが、ややこちらのほうが白い。 ここでは、主に二つの柱石露頭から産する(曹柱石か灰柱石かは微妙なところ)。尾根の反対側の「川端下」では立派な曹柱石を産する。 7)、石英 quartz 化学組成 SiO2 珪酸塩鉱物・酸化鉱物 この鉱物は、二酸化珪素(SiO2)が結晶して出来た鉱物で、この産地では、もちろん塊のものもあるが、基本、水晶として産出する。ここで産出する水晶の主な形態を詳しく説明する。 ・水晶 rock crystal 甲武信鉱山では、場所によっては様々な種類の水晶が至る所に落ちていたりする。 反対側の川端下では、20cmをゆうに超えるような大きい水晶が普通に落ちている。 これを聞いて行きたくなる方がいるかも知れないが、現実はそう甘くなく、質はとても悪いものばかり(汚い、凹凸が多い等)なので一本も水晶を持って帰らないこともあるぐらいだそうだ。 @緑水晶(草入り水晶) green quartz 緑水晶と呼ばれているものは、水晶の中に、角閃石や緑泥石が入っていて緑色にみえる水晶で、水晶の透明度が高いと、美しい。主にいくつかある緑水晶ズリで産する。 A松茸水晶 松茸水晶というのは、簡単に説明すると、名の通り、キノコのように上の部分が出っ張っていることが名の由来。またの名を「セプター・クオーツ」ともいう。 非常に人気なもので、松茸水晶ズリ(第一、二、三、四?)で産する。 一番有名な第一松茸のズリは木がなぎ倒され、荒れ放題。 B日本式双晶 Japanese twin 皆さん知っての通りこの有名な日本式双晶とは、2つの水晶の結晶がひとつの結晶面を共有し、約90度(84°34’)の角度で接合している水晶のことで、ほぼ直角で形がハート型に見えることから、別名「ハート型水晶」とも呼ばれている。 日本式双晶の水晶は、普通の水晶とは違い、ほとんどの場合、平たい板のような形をしているので、それを単体で「平板水晶」、双晶だと「平板双晶」などということもある。 有名な産地といえば、山梨県の乙女鉱山や長崎県の奈留島があげられるが、現在では採集禁止となっている。 ここでは、主にミニツイン坑道の中で産するが、他の場所でも産出する可能性はある。裏側の川端下ではそこそこ産出するらしいが、汚いものが多い。 8)、灰重石 scheelite 化学組成 CaWO4 タングステン酸塩鉱物 白色〜黄褐色の結晶で、紫外線をあてると青白い色に蛍光するのが特徴。(ただし、一部は蛍光しないものもある。) 主に灰重石の坑道で産する。 9)、緑簾石 epidote 化学組成 Ca2Fe3+Al2(Si2O7)(SiO4)O(OH) 珪酸塩鉱物 この緑簾石はグループ名でもあり、グループの一つとすると英名はdissakisite。 色は緑〜暗めの緑色で、ここでは最大で4cmぐらいの結晶が産することもある。 主に緑簾石ズリで産出する。 10)、鉄ヘスティング閃石 ferrohastingsite 珪酸塩鉱物 化学組成 NaCa2(Fe2+,Mg)4Fe3+Si6Al2O22(OH)2 化学組成については自信がなく、この鉱物自体謎なので、ヘスティング閃石 (hastingsite NaCa2(Fe2+4Fe3+)Si6Al2O22(OH)2)で覚えることを勧める。(角閃石グループに属する。) 黒〜黒緑色の柱状結晶と図鑑等ではあるが、実際は緑色と表現するだろう。 柱状結晶は細く、何百本もの結晶が集合したようなものが本鉱である。 主に柘榴石露頭や、柘榴石ズリで産出する。 11)、磁鉄鉱 magnetite 化学組成 Fe3O4 酸化鉱物 黒色金属光沢の鉱物で、八面体のキレイな結晶をしていて個人的にはなかなか気に入っている鉱物。 名の通り磁石に吸い付けられる「磁性」という性質を持っていて、磁鉄鉱で釣りを楽しむことができる。 磁鉄鉱の中には、非常に強い磁気を持つものがあり、それらは「ロードストーン」と呼ばれ、方位磁針に用いられたりしている。 主に最初の柘榴石ズリで産する。 12)、氷長石 adularia 化学組成 KAlSi3O8 珪酸塩鉱物 氷長石とは、透明っぽくて菱形の正長石(orthoclase)の別名であり、正確な種類名ではない。 この正長石は大体の場合が白色であり、モース硬度「6」の標準鉱物でもある。 主に貯鉱場や最初の柘榴石石ズリや上部のズリや露頭で産する。 13)、ホセ鉱A joseite(Bも同じ英名) 化学組成 Bi4TeS2 硫化鉱物 ビスマスとテルルからなる鉱物で、銀色っぽい色でペラペラとした様な外観が特徴。 ホセ鉱にはAとBがあり、ホセ鉱Bの化学組成はBi4Te2S。この両者の肉眼鑑定は不可能。甲武信鉱山の貯鉱場で産する。希少。 14)、自然金 gold 化学組成 Au 元素鉱物 説明する必要のないほど有名な鉱物。 比重がとても大きいため、「パンニング」という方法をつかって、川底の砂の中にある「砂金」を見つけることができる。 甲武信鉱山の貯鉱場で産する。ホセ鉱と同じく、希少。 15)、砒鉄鉱 Lollingite 化学組成 FeAs2 硫化鉱物 銀白色の鉱物。硫砒鉄鉱と似ていて判別しづらいが、硫砒鉄鉱よりやや白っぽい ことや共生鉱物等の点からなんとか鑑定できる(らしい)。 ここのものは葉片状の結晶として産するらしいが、大体錆がついているらしいのでやはり分かりにくいと思われる。 主に砒鉄鉱露頭で産する。 16)、褐鉄鉱 limonite 化学組成 FeO(OH)・nH2O 酸化鉱物 この鉱物は正式な名前ではなく、鉄の酸化鉱物の野外名として使われている。 正式には針鉄鉱か鱗鉄鉱のどちらかに属し、この二つの鉱物は外見は非常に良く似ているが、結晶構造が異なる。 色々な形態で産出し、主なものに「武石」とか「高師小僧」等がある。 色々な場所で産するのでかえって分かりにくい。 17)、緑閃石(アクチノ閃石) actinolite 化学組成 Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2 珪酸塩鉱物 ここの産地のものは鉄分を多く含むからか緑色のものが多い。 鉱物の中でもっとも種類が多いと思われる閃石類の一種。 その中でも普通角閃石の次ぐらいに有名だと思われる。 主に柘榴石ズリや尾根上のあるポイントで産する。 3、採集記 第一回 2007年6月17日(日)採集 第二回 2007年9月17日(月)採集 第三回 2008年8月7日(木)採集 第四回 2008年8月8日(金)採集 第五回 2009年7月26日(日)採集 第六回 2009年10月25日(日)採集 第一回 2007年6月17日(日)採集 鉱物採集を始めて1〜3年が過ぎ、だんだんと鉱物の知識もついてきました。 知識がつくほど、良くホームページに記載されている超有名産地「甲武信鉱山(こぶしこうざん)」に行きたいと思う気持ちが強くなってきました。 この甲武信鉱山では、たくさんの種類の鉱物が(特に水晶)採れると聞いていたので、とりあえずある産地によるついでに行って見る事にしました。 甲武信鉱山は長野県川上村にあり、地元では「梓鉱山」と呼ばれています。 この産地はとても広く、柘榴石類、石英(松茸水晶、緑水晶、日本式双晶)、灰重石、ベスブ石、柱石等が採れ、たくさんの人が訪れます。 ここに入山するには、「湯沼鉱泉」という宿でお金を払わなければなりません。 (大人1000円、子供500円、宿泊者は無料) この湯沼鉱泉の社長は、甲武信鉱山一帯の土地を買ったり、鉱物の展示館を作ったりする程鉱物が好きな方で、多くの鉱物マニアから慕われています。 僕達はこの産地を少しなめていた(というより広さを知らなかった)ので、午前中にある産地に立ち寄り、そのついでみたいな感じでここに向かったので、午後の1時ぐらいに湯沼鉱泉に到着しました。 まずはお金を払い、「天然水晶洞」と呼ばれているところを見学しました。 ![]() ![]() 天然水晶洞は、坑道のような穴の中に様々な鉱物が展示されているミニ博物館で、国内産の鉱物がかなり展示されているので、国内産が好きな人にとっては最高の場所です。 天然水晶洞を出ると、湯沼鉱泉の社長が開拓した産地「居倉」があり、大きなズリがあったので少しだけ採集をしていきました。 そしてのんびりと湯沼鉱泉に戻り、甲武信鉱山に出発したのですが、行ったことがある人しか分からないでしょうが、当然のことながら全くといっていいほど採集する時間がないうえ、初めて来た産地なので最初の柘榴石ズリより上に行く勇気がなく、仕方なく最初の柘榴石ズリで少し採集して引き返しました。 採取鉱物 柘榴石とヘスティング閃石。 感想 今回は憧れの産地に来たものの、下調べが不十分なうえ、時間が全くといっていいほどなかったので、次回からは朝早く来てじっくり探査したいと思います。 第二回 2007年9月17日(月)採集 今回はいつもより早めの午前3:30に家を出ました。 前回、湯沼鉱泉に到着したときは既に午後の1時と信じられない時間で、さらに天然水晶洞を見学した後に産地に向かったので全くといっていいほど採集時間が取れませんでした。 その教訓を生かし、今回は早めに出たわけです。 中央自動車道を途中談合坂SAで休みつつひたすら進みました。 須玉ICで高速を降りて一般道を進み、午前8:00頃に湯沼鉱泉に着きました。 車から降りた途端、川上犬たちが襲ってきて(?)、僕のズボンに泥の足形をつけました。 このときは既に山用の長ズボンを履いていたので、特に被害はありませんでした。 到着時間が早かったので少し周辺をランニングしていると(?)、若い人が湯沼鉱泉の場所を質問してきたので、場所を教えました。 少し走った後、父と一緒に湯沼鉱泉に入りました。 そこで湯沼鉱泉の社長としばらく色々話していると、突然湯沼鉱泉の社長が、「さっきここに若者が来たんだけど、ここに来るの初めてらしいから、甲武信鉱山の入口まで案内してやってくれ。」という感じのことを言われてしまいました。 それでその人をしばらく待つこととしましたが、なかなか来ないので、アナウンスで呼び出されました。 その人はさっき僕に湯沼鉱泉の場所を質問してきた人で、最初は地元新聞の記者かと思っていたのですが、普通に鉱物愛好家でした。 この人は甲武信鉱山、というより水晶を普通に産する産地が初めてなのか、天然水晶洞を出たところにある採石場(居倉)で採集するのに既に夢中になっていたそうです。 そして、この人と一緒に甲武信鉱山へと向かいました。 空気的な成り行きでこの人と結局一緒に登ることになり、一緒に甲武信鉱山の入口から登ること約10分。第一テラスを通過し、柘榴石ズリに到着しました。 ここで20分ぐらい採集をした後、今回のメインの松茸水晶のズリを目指して登り続けました。 ただ、まだ山慣れしていないせいか道が良く分からず、適当に踏み跡をたどって行くと、柘榴石の露頭がありました。 ここの露頭は柘榴石の生成過程が良く分かるということで、重要な部分は保存してありましたので、参考になりました。 そこから上方に対して左側に進み、他の踏み跡にぶつかったところでその踏み跡を辿って登っていくと二つ目のテラスがありました。 そこにあった坑道の中に入り、方解石とザクロ石を採り、ベスブ石の露頭に向かいました。 そこに着くまでが一番大変で、とにかく急斜面でした。 斜度は45度どころではなく、60度以上あってもおかしくないほど急でした。(実際は30〜45度ぐらいかと思います。多分。) ベスブ石露頭に付くと、足元には小さな黒光りした結晶をしたベスブ石がたくさんありました。 ベスブ石は関東周辺ではなかなか産出しないので、それがざくざくあるので目を輝かせて採集をしました。 昔は1〜2cmの結晶が普通にあったそうなのですが、今では1cmの結晶を見つけるだけでも大変なそうです。 その後上方に対して左にトラバースすると、あの有名な松茸水晶ズリがありました。 松茸水晶ズリで採集をしていると、下斜面から手にバールを持ったおじさんがやってきました。 そのおじさんによると、湯沼鉱泉の社長から「もし山で僕達に会ったら道を案内してやってくれ」と言われたらしいので、僕達はそのおじさんに案内してもらうべく、おじさんについて行きました。(小さい子はマネしちゃダメですよ!(笑)) おじさんの後ろにつき、松茸水晶ズリから上の方に続く踏み跡を辿ること約5分。 第二松茸水晶ズリが現れました。 残念ながら、僕は二つの松茸水晶ズリに行きながら、松茸水晶は手に入れることができませんでした。 その後、秘密(?)の緑水晶ズリに行き、そこで緑水晶を採ってから、下山を始めました。 下山途中に柱石露頭とさっきに寄ったベスブ石の露頭に立ち寄りつつ、真っ直ぐ下山しました。 下山後は湯沼鉱泉に寄ってさっきのおじさんと社長にお礼を言い、この地を後にしました。 ちなみに、現地を3時10分ごろに出て、東京の自宅に着いたのは10時すぎでした。 今回の甲武信での行程は(多分)このような感じです。あくまで参考程度に。 9:00 登山開始 9:10〜40 ザクロ石ズリ 9:55〜10:20 第二テラス 10:30〜45 ベスブ石露頭 11:00〜12:20 松茸水晶ズリ 12:30〜13:00 第二松茸水晶ズリ 13:15〜55 緑水晶産地 14:20 柱石露頭通過(途中、松茸水晶ズリを通る) 14:30〜40 ベスブ石露頭 15:00 下山口(途中、ザクロ石ズリを通る) 採取鉱物 1)、灰鉄ザクロ石 Andradite 2)、灰ばんザクロ石 Grossular 3)、灰鉄輝石 Hedenbergite 4)、石英 Quartz ![]() ![]() 5)、方解石 Calcite 6)、ベスブ石 Vesuvianite 7)、柱石 Scapolite ![]() 感想 今回、甲武信鉱山で色々な鉱物が採れて、満足できる結果となりました。 ただ、今度は松茸水晶を採りたいです。 湯沼鉱泉の社長と今回案内してくださった長野県の方、同行した群馬県の方、お礼を申し上げます。 第三回 2008年8月7日(木)採集 合宿1日目に居倉でほぼ空振りに終わった僕達は2日目の朝朝食をそこそこ食べ、川上犬と遊んで、湯沼鉱泉手前の地層(?)から普通輝石を採集した後に本命の甲武信鉱山に向かうこととなりました 僕らは準備が出来次第、バスに乗って出発しました。 今回、バスの運転を担当してくれるのはお手伝いさんの方。 湯沼鉱泉の社長がいないので、手伝いに来ているらしいです。 最初にコンビニらしきスーパーに立ち寄り、飲料等を買い込みました。 そして、本命の甲武信鉱山へと向かいます。 (バスにとって)険しいダート道を進んで行き、もう見慣れた甲武信鉱山の入口に辿り着きました。 今回は3回目ということもあり、最初の方はスムーズに進みます。 最初のテラスで一休みし、ザクロ石ズリをまずあさります。 とりあえずここは軽めに採集をし、次の第二テラスを目指します。 ここで、運が良いのか悪いのか、蛇を見かけてしまいます。 第二テラスに着くや否や早速ヘッドランプを点けて坑道内に入ります。 そこで方解石の中に埋もれるザクロ石の良品を採集。(無くした可能性あり。) ここで体力の無い方はとりあえず置いておいて(失礼)、次にベスブ石の露頭に向かいます。 そこで久しぶりにベスブ石を見て感動した後は、岩を右側から回りこんで上に登り、ベスブ石の露頭の上の部分に到着しました。 そこでしばらくベスブ石を採集していると、誰かが大きな方解石を持ってきました。 この近くを探ってみると、方解石坑道がありました。(ただし、本当に方解石だけ。) 「な〜んだ、方解石か。」といいつつ中に入ると、確かに、大きな方解石がたくさんある。ただ、蛾か何かの死体がものすごくたくさんありました。 方解石坑道を出て何となく落胆しつつも、灰鉄輝石露頭を見逃して(?)松茸水晶ズリに到着しました。 到着して松茸水晶を探していると、周辺を探索していた部員が何故か柱石を持っていて、しかも、前回僕が採集した柱石の母岩と全くといってもいいほど異なっていたため、部員が発見した新・柱石露頭に向かいました。 そこでいくらかおこぼれを採集し、上へ戻るとある先輩が僕に鉱物を見せました。 「あれ?これは・・・松茸水晶ですね〜。あれ?そして双晶のような・・・」 松茸水晶。 そして双晶。 しかも太くて、両方3cm以上はありそうです。 この時のショックは計り知れません。 ショックを受けつつも、何とかその後第二松茸水晶ズリへ到着。 この時点で、最初は20人ぐらいいたメンバーが6人になっていました。 ここで少し鉱物を採集した後、前にあるおじさんに連れて行ってもらった柱石露頭と秘・緑水晶ズリに向かいましたが、発見できそうになかったので尾根に戻り、ミニツインを目指しました。 途中で二人がリタイアし、残ったのは4人となりました。 長い間歩き、なかなか産地が見つからなかったので、適当に近くにあった岩の下を見てみると・・・ 「水晶や。」 水晶やら氷長石やらを含む石が大量にあります。 いきなり狂喜し始めた僕らは、笑いながら斜面を調べていきました。 そこで、7cmぐらいの頭つき水晶を見つけてからは皆頭がおかしくなっていました。 ここで長い間採集した後、下り始めました。 僕らはここを新産地だと思い、喜んでいました。 しかし、後で分かったことがここは川端下の反対側に位置するということ。 新しいといえば新しいかもしれませんが・・・ そして、帰りは松茸水晶ズリの上部のあたりから脇道に入り、下りながら水晶を観察して行きました。 下る途中、「危ないから前を見て歩こう」と誰かが言うのですが、その人も斜面を見ながら下っているという有様でした。 4人で下へ降りると、まだ誰もいなかったので、僕ともう一人の人でもう一度登っていき、皆さんを呼んできました。 こうしてこの日は無事、皆で宿に帰ることが出来ました・・・ この後、風呂に入り、夕食を食べた後、即寝ました。 ちなみに、松茸水晶の良品を採って(しまわれ)たKさんは、早速お風呂に持っていって洗っていました。 採取鉱物 1)、方解石 calcite 2)、ベスブ石 vesuvianite ![]() ↑この写真だと分かりづらいが、黒光りが美しい。 3)、柱石 scapolite ![]() ![]() ↑前に柱石露頭で採集したもの。明らかに質が違うのが分かるだろう。 4)、石英 quartz 5)、鉄ヘスティング閃石 ferrohastingsite 6)、氷長石 adularia 感想 この日は甲武信鉱山の中心部を回れてよかったです。 ただ、湯沼鉱泉の風呂で、やたらとシャンプーやらがたくさんある割にはシャワーが二つしかなく、そのうち一つは壊れていたというのが気になりました。 そして、運命の次の日を迎えるのであった・・・ 第四回へ続く(下の文章)↓ 第四回 2008年8月8日(金)採集 前日に甲武信鉱山の有名なポイントをいくつか回り、いいものを採集できた僕らは、合宿の3日目に、甲武信鉱山とは尾根の反対側にある「川端下」という有名産地に向かうことにしました。 朝、のんびりと起きた僕達は、まず居倉まで散歩をしました。(2日目もしました。) 居倉に着いたら、何も採集せずそのまま宿に戻り、朝食となりました。 毎回食事の度に思うのですが、湯沼鉱泉の宿の食事は毎回、やたらと豪勢な気がしてなりません。 前日か今日の夕食は予想に反して、バーベキューでした。(最後までM氏と僕はホタテを焼いて食べ続けました。) 朝食を終え、準備が完了したら、いざ川端下へ向かうことになりました。 みなさん知っていると思いますが、川端下の鉱物産地に辿り着くには、川端下側からは行ってはいけないことになりましたので、甲武信鉱山がある梓山を登り続けて、尾根の反対側まで行かなければなりません。なので、行くには少々疲れる産地です。(さらに事件があっては・・・) 前日と同じくバスで甲武信鉱山の入口まで行き、登山開始となりました。 今回は、ザクロ石ズリ、ベスブ石ズリ、松茸水晶ズリなどをスルーして、まず、第二松茸水晶ズリに向かいました。 そこで少し休憩した後、(ここの時点で、何人かダウンしていました。)昨日行った新産地へと向かいました。(後で分かったことですが、ここは川端下の反対側でした。) 実は、前日にこの周辺で僕がハンマーを無くしてしまっていて、それを一旦探しましたが、見つかりませんでした。(頭が赤くて、1,3kgぐらいのものです。) とりあえずそれは置いといて、今回はこの新産地の尾根を挟んで反対側(いわゆる「川端下」)に向かいました。 そこに行くと、新産地よりも大量の水晶がありました。 少し下っていくと、信じられない光景を目にしました。 20〜30cmをゆうに超える大きさの水晶がゴロゴロ転がっているのです。 しばらく僕は黙りこくりました。 そして、前日同様皆さんと一緒に狂喜を始めたのもつかの間、よくよく見ると品質が悪いと分かり、がっかりしました。 とりあえず周辺にあった坑道の中に入り、水晶をいくつか持って外に出ました。 外に出ると、M氏(マグロ氏)が僕の前にとあるものを差し出しました。 それは、立派な日本式双晶でした。 このせいで、しばらく他の人達は落胆していました。 川端下での採集もそこそこに、とりあえず尾根へと登り、見晴らしのいいところで昼食をとりました。 今思えば、これが幸せな時間だったのです。 そう、今まで僕が採集してきたなかで(一番かは分からないですが)重大な事件が起きてしまったのです。 その後、ついさっき採集していた場所が川端下だと気付いていない僕達は、川端下の尾根の反対側(いわゆる新産地)の方向へと降りました。 そちらに川端下があると思ったのです。 ですが、しばらく降りても何の気配もないので、一旦引き返すことにしました。 尾根に戻ると、雷鳴が聞こえてきたので、晴れているように見えたのですが、すぐに下山することにしました。 さきほど採集した場所が川端下ではなく、甲武信鉱山のミニツイン坑道の付近だと思い込んだ僕達は、つづら折り(ミニツインから登山口までの山道のこと)を降りていけば、一番早く下山することができると思いました。 そう、この判断が間違えだったのです。 (この後のことについては詳しくは述べませんが、何人かの人に色々と迷惑をかけた事をグループを代表して改めてこの場で謝りたいと思います。これからは一同気をつけていくつもりです。) そうして、皆無事に下山して宿に戻り、色々とあった後、寝ました。 採取鉱物 ・石英 quartz 感想 一部の人にしか分からないと思いますが、このようなことが起こってしまい誠に反省しております。 このことを経験した僕はここにはあまり行きたいとは思いませんが、ここではまだ日本式双晶などが採れると思いますので、行ったことがない方は是非一度行ってみてください。 本当に疲れますよ。 続きの「御所平」を見る→ 第五回 2009年7月26日(日)採集 五回目の甲武信。五回目ともなるとさすがに慣れてきて、小さい鉱物産地だと飽きてしまったりするのですが、ここはなかなか飽きさせてくれません。 前回の訪問で川端下に辿り着き、大きな水晶を採集したのですが、全然綺麗ではなく、また採集の時間もなかったので心残りがありました。 ということで、今回は川端下も訪れることにしました。 今回はかなり早く家を出たのからか、予想以上に早く湯沼鉱泉に着いてしまい、登山口に着いたのは午前8:00でした。(宿泊客より登るのが早いかも・・・) ![]() のんびり歩いて第一テラスを8:15分に通過し、8:35分に第二テラスに到着しました。 ![]() ![]() 第二テラスで少し多めに休憩をとり、以前発見した新柱石露頭に向かいました。 しかし、狭い範囲での産出だったので、柱石は発見できませんでした。 第二テラスの方に戻り、急な斜面を登ってベスブ石露頭に到着しました。 ベスブ石は黒光りしたかっこいい鉱物で、毎回のように採集してしまいます。 ベスブ石露頭でそこそこのものを採ったあとは、すぐ近くにある方解石坑道の中に入って方解石を採集しました。 この方解石坑道は以前来たときに発見したもので、中には大きな方解石が結構あるのですが、蛾か何かの虫の死体が大量にあるので、虫が苦手な人にはお勧めしません。 方解石坑道を出て、今度はこれまたすぐ近くにある松茸水晶ズリに9:50に到着しました。 ![]() 松茸水晶ズリでは、名の通り松茸水晶を産出するのですが、一時期の松茸ブームにより、上の写真のようにかなり掘り込まれています。 ここで10分ぐらい採集して、少し登った所にある第二松茸水晶ズリに向かいました。 第二松茸もかなり掘り込まれているのですが、褐鉄鉱等に覆われた水晶の群晶は結構落ちていて、家に持ち帰って蓚酸や塩酸で外側の要らない部分を溶かすと、たまに綺麗な水晶の群晶、さらに運が良ければ日本式双晶付きの群晶が手に入ります。 第二松茸を出発し、しばらくは赤テープに従って踏み分け道をずっと進んでいきます。 第二松茸以降の川端下への道は、山慣れしていない人が行くとまず迷うというほどの道で、登山のレベルからしても結構高いと思います。 しばらく進んでいくと、尾根の反対側の川端下に降りる地点が見えてきました。 ただ、川端下は北斜面にあり、いつも薄暗い産地なので、長居はしたくない産地です。 僕らはまだ昼飯を食べていなかったので、気持ちのいい場所で食べようということで適当に近くのピークに10:35頃に登頂しました。 そこは景色抜群、日当たり良しの絶好の場所で、ケルンらしきものがありました。 ![]() ここで11:00まで休憩し、川端下へと向かいました。 急な斜面を下り、川端下へ着くや否や、早速一番大きいと思われる坑道の内部に入りました。 ![]() 坑道の中には先人達が残していったと思われる軍手やスコップ、ゴミがたくさんあり、なかなか不快な気持ちにさせてくれます。 泥まみれになりつつも、血眼になって水晶を探すと、直径約2〜3cm、高さ約10cmの水晶が集まった群晶を発見し、思わず声をあげました。(多分) 調子に乗った僕らは最初の段を乗り越え、這い這いで進み、いつの間にか鉱物採集というより洞窟探検みたいになっていました。 洞窟探検もそこそこにし、坑道の外へ出てズリで鉱物を探し始めました。 僕は「日本式双晶」を狙っていたのですが、なかなか見つからないので飽きて他の坑道を探索することにしました。 とある坑道に入ると、甲武信側の方解石坑道とは少し違うのですが、それでも大きな方解石がたくさんある坑道があったので、少しばかり採集しました。 ある程度収穫を得た僕らは坑道を出て、急斜面を登り、尾根を越え、登山口へと向かいました。 下山した後は、普通に帰りました。 採取鉱物 1)、石英 quartz 2)、鉄ヘスティング閃石 ferrohastingsite 3)、方解石 calcite 4)、ベスブ石 vesuvianite 5)、柱石 scapolite 第六回 2009年10月25日(日)採集 六回目の甲武信。 今回はいつもとは違い、○○○○○の採集会に参加して行きました。 ○○○○○では、採集会を開くにあたって「同じ産地では採集会を開かない」とか「確実に鉱物が採れる産地に行く」等といったことがモットーらしいのですが、そのような産地はなかなかなく、既にネタ切れなのか最近は「橄欖岩中の自然鉄」や「砂金」等小さい鉱物に目を付けてきました。 しかし、今回家に来た採集会の案内には「甲武信鉱山」という文字がありました。 甲武信鉱山は確かにメジャーで確実に採れる産地なのですが、安全確保の面で非常に問題がある産地です。 ですが、綿密な調査(?)の上、ついにここでの採集会を開くことにしたようです。 僕はこの日は暇だったので、○○○○○の採集会に採集することにしました。 朝6:00頃。僕は家を出ました。 電車に乗って新宿駅を目指し、新宿駅の西口改札から外に出ました。 そこからは簡単な地図に従って集合場所を目指しました。 集合場所に停めてあったバスに乗り込み、空いている席に座りました。 ○○○○○は普段はバスを借りて採集会を行うのですが、特徴として「気まずさ」があげられます。 バスに乗っているのはほとんどが他人同士なので、おじさん同士とかおばさん同士でない限り、会話はまずありません。 ましてや僕は子供なので、「気まずさ」は半端ではないです。 ふと周囲を見渡すと、珍しく僕と同じように子供1人で来ている人がいました。 後で学年を聞いたところ、中学1(か2)年生だそうです。 そして7:10頃にバスは新宿西口を出発しました。 首都高に乗り、中央自動車道に入り、途中双葉SAで休憩しつつ、西へと進み、須玉I.C.で高速を降りました。 コンビニでほんの少し飲料や昼食の購入時間をとり、町田市民休暇村を目指します。 途中、JR小海線の車両を見たり、美しき紅葉(黄葉?)の景色を見たりして楽しめました。 10:20頃、町田市民休暇村に到着しました。ここからは徒歩で産地へと向かいます。 ダート道を歩いていって、途中で甲武信鉱山へと向かうA班と貯鉱場で採集するB班とに分かれました。(AとBが逆の可能性もあり。覚えていない。) 体力に自信がない人はB班を選んでいましたが、ほとんどがA班でした。 10:40頃に登山口に到着し、登山を開始しました。 のんびりと歩き、11:00に第一テラスに到着、11:10分に出発しました。 そこから急で危険な斜面を登り、柘榴石露頭に到着しました。 まず僕は灰鉄輝石を探しました。 灰鉄輝石は濃い緑色をしていて、意外と簡単に見つかりました。 ということで柘榴石を探し始めた所、汚いですが1辺3cmの巨大柘榴を見つけて大分やる気が出ました。 もっと綺麗な柘榴を探していると、今回○○○○○の採集会に同行取材を行っていた「MINERA」という雑誌の記者が何か質問してきたので適当に答え、名前を聞いてきたので名字だけ適当に答えたら名前の方は適当に設定されて雑誌に記載されてしまいました。 ここでの採集を終え、次の場所に移動しました。 次の場所も柘榴石露頭なのですが、多分こっちの方が有名で、柘榴石の形成過程が分かるとしてある晶洞(?)を保存している場所があります。 ここでは、良質のヘスティング閃石を産出しますが、何回も甲武信に来ている者にとっては少々退屈な場所です。 ということで少々退屈な時間を過ごしたあと、第二テラスに向かいました。 第二テラスから上は危ないので、ベスブ石露頭への急斜面を登るのが怖い人は第二テラスに残っていました。(僕的には、大勢の人がベスブ石露頭に行ったことにより落石が多発したのでかえって上の方が安全だったと思います。) 第二テラスで少し休憩し、そのままベスブ石露頭に向かいました。 ベスブ石露頭は上段と下段に分かれていて、そのことを知らないのか皆下段で採集していたので我慢できなくなって「実はこの上にもポイントがあるんですよ。」と誰かに行ってその人と上段に行きました。(勝手には行動できないので・・・) 上段に着くや否や本当の意味での露頭に取り付きました。 今回は2cmぐらいのまあまあ大きいベスブ石を採取することができました。 しばらく採集をした後、少し遅れて(?)下山を始めました。 僕がここで思ったのが、先頭と最後尾の距離が離れすぎていて安全確保が全然できていないと思いました。 採集会だからといって安全だとはいえません。 しまいには先頭が採集会の幹事関係者ではなく、普通の参加者になってしまっていました。 林道に出ると、皆さんお疲れのようでずっと降りたところで休んでいて暇だったので、幹事に許可をもらい、先に林道を下っていきました。 駐車場に着くと、B班の人々が暇そうに待っていました。 B班の人は気が利くのか、A班用にいくらかおみやげを持っていて、先着順に持っていけるというものだったので1番に下ってきてラッキーと思いました。 B班の人が全員下ってきてから皆で記念写真を撮り、バスに乗り込み帰路につきました。 帰路の途中、道の駅「南きよさと」に寄りました。 ここにはおもしろい形のリフトカーがあり、あとで調べると「こいのぼり号」という名前らしいリフトカーが動いているところを見ることが出来ました。 採取鉱物 ・灰鉄柘榴石 andradite ・灰礬柘榴石 grossular ・方解石 calcite ・ベスブ石 vesuvianite ・灰鉄輝石 hedenbergite ・柱石 scapolite ・緑簾石 epidote ・鉄ヘスティング閃石 ferrohastingsite 感想 当たり前といえば当たり前のことなのですが、やっぱり甲武信は個人で行った方がいいと思いました。 あと、ヘルメット装着を義務づけるのはいいとして、まとまって行動が出来ていないのはいかがなものかと思いました。 あまり幹事の方を責めたくはないのですが、これで何かあったら責任が発生してしまうと思われます。 皆さんもなるべくまとまって行動をとるようにしましょう。 |