三倉鉱山

1、始めに  

前回、中伊豆の鉱物産地中心に攻めた時、いいものが見つかるどころか産地にも辿り着けなかったところや、雪が降ってきたところがあり、完全にやる気をなくしてしまいました。
なので、ほぼ絶対いいものが沢山採れそうな場所を考えたところ、噂でしか聞いたことのない「三倉鉱山」という「重晶石」などが採れる場所を思い出したので、そこへ行ってみることにしました。

 ←白浜海岸の日の出。

2、採集記

朝の3:00に家を出た僕達は、東名自動車道を南に進みました。
今回は何故こんなに早く家を出るのかというと、車を運転してくれている父がサーファーで、伊豆に行くならついでにサーフィンをしていきたいと言ったからです。
伊豆の東の海岸沿いに国道を南下し、南伊豆町に入り、サーフポイントに到着しました。
そこで2時間ぐらい僕は車中で待機し、その後、待ちにまった三倉鉱山に向かいます。
三倉鉱山や、重晶石や緑鉛鉱などの鉱物が採れ、静岡、ましてや伊豆ではかなり珍しい鉱山ものが採れる鉱山だといえます。
しかも、ここの重晶石は北海道の勝山鉱山と比較ができるほどのものらしいです。
期待に胸が膨らみます。
産地付近に着き、車を停めて歩き始めます。
竹林を抜け、藪を漕ぎながら進むと、いきなり、重晶石を含む石がゴロゴロ転がっているズリが目の前に現れました。
「これ、方解石だよね?」と疑いたくなるほど、大量に転がっていて驚きました。
とりあえず、重晶石を拾いながら坑口を目指しました。
坑口の前に到着し、中を除くと水で水没していました。
さらに周辺を探索すると、縦穴がありました。(行く方は気をつけてください。)

 ←三倉鉱山の坑口。内部には水が溜まっている。

また最初に訪れた坑口の前に戻り、重晶石を採集しました。(緑鉛鉱などの鉱物の存在は忘れてしまっていました。)
重晶石を十分採集し、初めて伊豆で大満足した僕らは、次の産地「小松野鉱山」に向かいました。
ですが、しばらく探しても小松野鉱山は見つからなかったので、有名産地の「寝姿山」に向かうことにしました。

3、産出鉱物

1)、重晶石 barite 化学組成 BaSO4 硫酸塩鉱物

無色〜白色、青・黄色などの様々な色の綺麗な結晶として産し、板状結晶が集まり、バラの花のように見えるものは「砂漠のバラ」と呼ばれる。また、鉛を含む変種は「北投石」と呼ばれている。
国内で有名な産地は、北海道の勝山鉱山で、ここでは他とはレベルが違うものを産出する。

2)、緑鉛鉱 pyromorphite 化学組成 Pb5(PO4)3Cl 燐酸塩鉱物

名のとおり、緑色や黄色、橙色などの様々な色の様々な形状の結晶で産し、コレクターに人気のある鉱物。主に中国で産出する。国内では岐阜県神岡鉱山などが有名。

3)、青鉛鉱 linarite 化学組成 PbCu(SO4)(OH)2 硫酸塩鉱物

名のとおり、主に青色の針〜柱状結晶として産する。
青色の美しさが目立つせいかたくさん拾われてしまい、どこの産地にしてもよく探さないと見つけられないだろう。

4)、方鉛鉱 galene 化学組成 PbS 硫化鉱物

黒色に近い灰色で金属光沢を持つ鉱物で、立方体の結晶として産するのが有名だが、実際は皮膜状になっていたりする。

その他、閃亜鉛鉱や自然金・銀、黄銅鉱や輝銀鉱・雑銀鉱・濃紅銀鉱などを産出する。

4、採取鉱物

・重晶石 barite

5、終わりに

この鉱山では、たくさんの重晶石を採ることができ、大変満足しました。
僕的には、今のところ、静岡県トップの最高の産地です。
またこの近くを通ることがあれば、立ち寄ってみたいと思います。