大黒坑下

訪問日 2007年4月15日(日)
場所
天気
同行者
管理体制 Free
産出鉱物 自然金、黄鉄鉱、方解石
疲労度
危険度 ★★
オススメ度 ★★★
備考 自然金の露頭が消えたとの噂も。

このページでは、大黒坑の下流にあるこの産地を「大黒坑下」と呼ぶことにします。

1、産地概要

大黒坑の下流にあるこの産地は、大黒坑と同じくらい有名な産地となっています。
秩父鉱山の中で、簡単に安全に楽しめられる産地としては一番かもしれません。
ここでは、誰がいつ見てもウットリしてしまう黄鉄鉱や大理石(結晶質石灰岩、方解石)、露頭では自然金が採れ、主要な鉱物がほとんど産出します。
ただ、ここは川原が産地となっているので、増水時は気をつける必要があります。
また、露頭で採集する場合は落石に注意をする必要があります。

2、産出鉱物各論

1)、自然金 gold 化学組成 Au 元素鉱物

みなさんご存知の元素鉱物。黒色の閃亜鉛鉱の上に紐状として産する。

2)、黄鉄鉱 pyrite 化学組成 FeS2 硫化鉱物

この産地で最も多く見られる鉱物といってもいいほど多量に産し、自形結晶をなすものも多い。
黄銅鉱などの金属鉱物と一緒に産することが多い。個人的には菱マンガン鉱の表面についている黄鉄鉱の立方体結晶が良い。

3)、黄銅鉱 chalcopyrite 化学組成 CuFeS2 硫化鉱物

真鍮色金属光沢。自形結晶をなすものもある。

4)、方鉛鉱 galene 化学組成 PbS 硫化鉱物

立方体(六面体)の特徴ある結晶で、帯青黒色金属光沢をしている。
鉱石ラジオの最初の検波に利用されたという話もある。

5)、閃亜鉛鉱 sphalerite 化学組成 ZnS 硫化鉱物

黒色〜橙色で黒色は金属光沢で、橙色は透明でガラス光沢と非常に色彩に富む。
大体のものは黒色でガラス光沢が強い。
鉄分が混入すると色が黒くなり、鉄含有率の高いものは「鉄閃亜鉛鉱」と呼ばれ、化学組成でFeSと表すこともある。
そして、樹脂光沢で色の薄いものは「べっ甲亜鉛」とも呼ばれることがある。
結晶は四面体、八面体、十二面体などがあり、四面体の結晶が多い。

6)、車骨鉱 bournonite 化学組成 CuPbSbS3 硫化鉱物

菱マンガン鉱の上に黒色柱状の結晶として産出するが、非常に小さい上、産出が珍しい。
この産地のスター的存在である。


7)、方解石 calcite 化学組成 CaCO3 炭酸塩鉱物

方解石は、石灰石や大理石、さらには洞窟にある鍾乳石を構成している鉱物で、セメントに使われたり、建物の床や壁に使われたりと用途は幅広い。
どこの産地でも普通に見られ、上流に石灰石採掘場があるからか、量は多い。
また、岩石的には、変成岩の結晶質石灰岩(大理石)の結晶が大きい形として産する。

8)、石英 quartz(水晶 rock crystal) 化学組成 SiO2 酸化(珪酸塩)鉱物

この鉱物はこの辺のどこでも見られるが、意外に産出量は少ない。

3、採集記

第一回 2007年4月15日(日)採集


第一回 2007年4月15日(日)採集

続きの「渦の沢」を見る→

鉱物採集を始めたばかりだった僕は、最初は必ず鉱物が採れる確証がある有名な産地にしか行こうとはしませんでした。
そこで、この条件に当てはまり、わりと近場にある「秩父鉱山」に向かってみることにしました。

朝6:00に、僕は家を出ました。
関越自動車道を進み、花園ICで降り、秩父鉱山を目指します。
今回向かう秩父鉱山は、関東地方の中でもかなり有名な産地で、とても広く、主に金属鉱物を中心とした様々な鉱物を産出します。
秩父鉱山はいくつかの産地に分かれており、渦の沢、大黒坑、中津坑(後山?)、石灰沢、道伸窪坑等たくさんの産地があり、黄鉄鉱や自然金、毛鉱や車骨鉱、孔雀石、磁硫鉄鉱、閃亜鉛鉱、石英、燐灰石、ザクロ石類、ベスブ石、磁鉄鉱、黄銅鉱など、たくさんの種類の鉱物が採れます。
今回は、その秩父鉱山の中の、大黒坑の下流にある川原で採集します。
僕は以後、この場所を「大黒坑下」と呼びます。
この大黒坑下では、黄鉄鉱、黄銅鉱、大理石(石灰石、方解石)、自然金等を産出します。
三峰神社を左に見て、ループ橋を過ぎ、中津川の「出合トンネル」を右に曲がり、いくつかトンネルを越えると、産地が見えてきました。

 ←ここに見える川原が産地。

産地の少し先のトンネルの向こう側にあった駐車スペースに車を停め、上写真の場所から川原に降りました。

何しろ初めての本格的な鉱山、ましてや秩父鉱山だったので、黄鉄鉱があっただけでもとても感動しました。

〜採取鉱物〜

〜感想〜

今回、初めて秩父鉱山を訪れ、感激しました。
予想以上に山中にあり、たくさんの鉱物が採れ、嬉しかったです。
ここで黄鉄鉱等を採集したあと、渦の沢へ向かいました。

続きの「渦の沢」を見る→

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