大蔵鉱山

訪問日 2008年3月12日(水)
2009年2月4日(水)
場所 埼玉県
天気 一回目…晴
二回目…曇
同行者 一回目…T氏
二回目…T氏、H氏
管理体制 Free
産出鉱物 各種マンガン鉱物
疲労度 ★★
危険度 ★★
オススメ度 ★★
備考 山道をある程度歩く。

1、産地概要

工事中。

2、産出鉱物各論

1)、菱マンガン鉱 Rhodochrosite 化学組成 MnCO3 炭酸塩鉱物

赤〜ピンク色の塊・結晶として産する。
マンガンの中ではもっともポピュラーなものであり、多量に産する。
ここでは、ピンク色の塊として普通にみられる。

2)、バラ輝石 Rhodonite 化学組成 (Mn,Ca)5Si5O15 珪酸塩鉱物

赤色で輝いている綺麗な結晶が集合して緻密な塊となった鉱物。
輝石とあるが、正式には輝石グループには属さない。(準輝石)
菱マンガン鉱ともやや似ているが、一番区別がつかないのがパイロクスマンガン石。
ここでは、バラ輝石のような結晶はなかなか産出しない。

3)、石英 Quartz 化学組成 SiO2 酸化鉱物

どこでも産出するといってもいいほどポピュラーな鉱物。

4)、ハウスマン鉱 Hausmannite 化学組成 Mn2O4 酸化鉱物

黒〜褐色の緻密な塊が脈状に入っているものと、黒色で輝きの強いものがある。
日本では普通、前者のものを産出する。
そして、マンガン系ではもっとも普通に見られるものでもある。

5)、緑マンガン鉱 Manganosite 化学組成 MnO 酸化鉱物

この鉱物は名前の通り緑色をしていて美しいのだが、割って空気に触れた直後から酸化が始まり、2・3日すると、完全に緑色がなくなり、黒っぽくなってしまう。
永久保存は難しいので、これを発見したらすぐに写真を撮ることをオススメする。
ちなみに、なかなか産出しない貴重なもの。

6)、ブラウン鉱 Braunite 化学組成 Mn2+Mn63+SiO12 珪酸塩鉱物

マンガンの高品位鉱の一つで、黒色塊状で産出。
かなり弱い磁性があるが、普通の磁石にはくっつかない。

その他、カリオピライトやヤコブス鉱、セピオ石などを産する。

3、採集記

第一回 2008年3月12日(水)採集

第二回 2009年2月4日(水)採集


第一回 2008年3月12日(水)採集

僕の学校も春休みに入り、毎日暇をもてあましていました。
そんなとき、ふと、近場の鉱物産地に行こうと思いました。
しかし、近場の鉱物産地といってもすぐ思いつかず、パソコンで調べていたところ、「大蔵鉱山」という名のマンガン鉱山が、埼玉県にあるとの情報があったので、早速行ってみることにしました。

僕は朝6:00ぐらいに家を出ました。
最寄の駅まで自転車で行き、そこから電車に乗り、途中の駅で連れと合流しました。
何分か電車に揺られて、飯能駅で乗り換え正丸駅に向かうのですが、何と、連れが昼食を用意していないと言い出したのです。
正丸駅にコンビニがあるかわからないので、一駅先の東飯能駅で降りて、コンビニに寄りました。
そこで30分ぐらいロスして、もう一度電車に乗り、正丸駅を目指しました。
正丸駅に着くと、予想通り、コンビニがありませんでした。さすが。
正丸駅から10〜20分ぐらいかけて登山口に行き、そこから本日の山行のスタートです。
登山口から10分ぐらい歩くと、右手に黒い石の山がありました。
怪しいので、そこから正規のルートをはずれ、右側の枯れ沢を50mぐらい遡行すると、坑道がいくつかありました。
早速、坑道の写真を撮り、採集を始めました。
大蔵鉱山は、山の中の産地で、マンガン鉱が採れます。
主に、バラ輝石や菱マンガン鉱、ハウスマン鉱が採れるらしく、まれに緑マンガン鉱も採れます。
しかし、ここのマンガン鉱は低品位で、全然、いいものが採れませんでした。(軽いハンマーしか持って来ていなかったので、全然割れませんでした。)

 ←坑道の写真。

ここで2時間ぐらい採集した後、伊豆が岳の山頂目指して歩き始めました。
少し歩くと、「泣き坂」と呼ばれている、傾斜がきつい坂の前に到着しました。
最初は全然たいしたことないと思っていましたが、坂の終わりの10mぐらい前で、苦労しました。
そこの部分は、先日の雨でぬかるんでいて、ロープがあっても滑りまくりました。
(前の人が滑って落とした泥が顔に当たった。)

 ←泣き坂の途中。

 ←頂上の看板。

途中、色々ありつつも何とか頂上に辿り着くと、写真のような天気で景色が楽しめませんでした。
山頂で昼飯を食べ休んだ後、行きとは違うルートで40分ほど下り、そこから2時間ぐらいのんびり車道歩きをして帰りました。(車道は正直キツイです。)

〜採取鉱物〜

1)、ハウスマン鉱 Hausmannite

2)、ブラウン鉱 Braunite

3)、菱マンガン鉱 Rhodochrosite

〜感想〜

今回は鉱物採集よりも山登りがメインでした。
「泣き坂」と呼ばれる坂の上部の地盤が緩んでいて(ようするに泥まみれ)、多少の苦労はしましたが、なんとか無事に帰ることが出来ました。(そんなに危ないわけではないです。)

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第二回 2009年2月4日(水)採集

寒さが厳しくなりつつある2月、僕は暇をもて余していたので、鉱物採集と山登りの両方を楽しめるところに行きたいと思っていました。
すると、ふと伊豆が岳の山腹にある「大蔵鉱山」の名を思い出したので、T氏とH氏と一緒に行くことにしました。

朝7時台に僕は家を出て、たしか8:10頃に池袋駅の西武池袋線ホームでT氏と待ち合わせしました。
今回は、N氏とF氏がお休みになってしまったので、僕も含め3人での採集となってしまいました。
僕が不安だったのが、T氏とH氏は直接の面識がなかったことです。
西武池袋線の電車に乗り、飯能を目指しました。
飯能駅に着くと、予想通りH氏がいたので、合流しました。
最初の気まずい空気をどうにかしようと、しりとりを始めました。
ところが、平穏なはずのしりとりがどんどんエスカレートしていって、しまいには、高度な技術(?)の「る攻め」や「だ攻め(ここのルールでは濁点を外すのはなし)」が出るという始末でした。
さらに、種類を限定することになり、僕は「クラシック」と「地理」、他の2人は・・・
でも、H氏とT氏が(何故か)意気投合し始めたので良かったです。
正丸駅で僕らは電車を降りました。
とりあえず、伊豆が岳の登山口まで歩いて行きました。

 ←伊豆が岳の登山口。

伊豆が岳の登山口から10分ぐらい歩いていくと、枯れ沢に入っていくポイント(あきらかに怪しいですので、行けば分かります。)に着き、そこから枯れ沢に入り産地に到着しました。
まず、坑道や坑口全体の写真、記念写真(T氏とH氏は行ったことがないので)を撮り、採集開始です。
しかし、前よりも鉱石が減っているうえ、全然いいものがないので、今回は鉱石未採取としました。

 ←大蔵鉱山の坑口。たしか全部で7個ある。

 ←ある坑口とその内部写真。

しばらくそこで採集をした後、伊豆が岳の山頂を目指して登りました。
途中、前回来たとき泥まみれになった「泣き坂」をすんなり通過し、男坂の前を通り過ぎて(写真は撮りました。)、途中から裏道に入り秘密の絶景ポイントに到着しました。
そこで昼食となったのですが、H氏がメロンパン二つを昼食としていたのが驚きです。
そこから少し歩き、伊豆が岳山頂に到着しました。
5分ぐらい滞在して、そこから小高山を通って正丸峠まで小走り(トレイルラン)で行き、そこから一気に下って途中で行きの道と合流し、正丸駅に到着しました。

 ←泣き坂。木の根元がむきだしになっている。

 ←男坂。現在は、登るのは自己責任となっている。

〜採取鉱物〜

なし

〜感想〜

今回、鉱物は一つも持ち帰りませんでしたが、山登りや、H・T氏とのくだらない遊び(しりとり、山手線ゲーム)を楽しめたのでまあよかったです。

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