石灰沢
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1、産地概要 この産地は、出合トンネルを北に抜け、大黒坑の北にあるトンネルを抜けた先にある産地で、名の通り石灰石(方解石)がたくさん転がっています。 2、産出鉱物各論 1)、水酸エレスタド石 Hydroxylellestadite 珪酸塩鉱物 化学組成 Ca10(SiO4)3(SO4)3(OH,F,Cl)2 埼玉県秩父鉱山が原産地の埼玉初の日本産新鉱物で、主に道伸窪坑で産する。 通常は淡紫色半透明でガラス光沢だが、風化すると色々と色が変わったり、ガラス光沢が失うこともある。ネソ珪酸塩鉱物。 2)、ベスブ石 vesuvianite 珪酸塩鉱物 化学組成 Ca19(Fe,Mn)(Al,Mg,Fe)8Al4(F,OH)2(OH,F,O)8(SiO4)10(Si2O7)4 イタリアのベスビオ火山が名前の由来のこの鉱物は、この鉱山では、黒光りした柱状結晶として産する。 組成が複雑だからか、黒以外には、緑、赤、青、白、紫、黄色などの多彩な色がある。 名の通り、海外ではベスビオ火山周辺や南アフリカ、ケベック、ウラル山脈から産する。 石灰沢の代表的な鉱物で、方解石に埋もれている形で産する。 色は黄褐色で、灰ばん柘榴石と見分けがつかない。 3)、灰礬柘榴石 grossular 化学組成 Ca3Al2(SiO4)3 珪酸塩鉱物 12面体と24面体の結晶として産することが多いこの石は、主に緑色〜黄緑色〜褐色や、ピンク色・無色透明の結晶として産する。 特に、黄色で宝石質のものを「ヘッソナイト」、緑色で宝石質のものを「ツァボライト」という。 ベスブ石と同じく、ほとんどの場合方解石に埋もれているが、ベスブよりキレイな感じがする。 4)、スピネル(尖晶石) spinel 化学組成 MgAl2O4 酸化鉱物 石灰沢のとある露頭から発見されたらしく、この産地では青色のものが産する。 宝石としてもこの鉱物は有名で、他に赤色のものなどがあり、コランダム(ルビー、サファイア)とよく間違われる。 5)、クリントン石 clintonite 化学組成 CaMg2AlAl3SiO10(OH)2 珪酸塩鉱物 六角板状や鱗片状の結晶をしていて、無色透明や淡青緑〜淡緑色の結晶として産する。 クリントン石はここが代表的な産地だが、産出が珍しい上、他の石との区別が難しい。 6)、方解石 calcite 化学組成 CaCO3 炭酸塩鉱物 方解石は、石灰石や大理石、さらには洞窟にある鍾乳石を構成している鉱物で、セメントに使われたり、建物の床や壁に使われたりと用途は幅広い。 産地の名前通り、石灰石(大理石)の状態のものが多量に産し、灰ばん柘榴石やベスブ石を含むことがよくある。 3、採集記 第一回 2008年9月15日(月)採集 第一回 2008年9月15日(月)採集 ←前の「大黒坑」を見る 続きの「六助沢」を見る→ 大宮鉱山、岩井沢鉱山、大黒坑と採集してきた僕達は、次に秩父鉱山の石灰沢に行ってみることにしました。 大黒坑の産地の川原を橋の上から眺めつつ、トンネルを抜け、石灰沢へと僕達は向かいました。 トンネルを抜けると、昔の鉱山施設跡が残っており、廃屋などが好きな人にはオススメな場所です。 秩父鉱山はもともと石灰石を採掘するために操業した鉱山で、今は廃山となっています。 石灰沢のすぐ近くに車を駐車し、石灰沢へと向かいました。 ↑石灰沢を登り始めてすぐの場所のところにある露頭。柘榴石とベスブ石を産する。 石灰沢を登り始めてすぐに、左岸に露頭がありました。 露頭の下には柘榴石を含む方解石がたくさん落ちていました。 僕はその中の緑色で形も整った綺麗な柘榴石が入ったものを持って帰ることにしました。 そこで何分か採集してからしばらく石灰沢を登りましたが、何もなさそうなので引き返すことにしました。 〜採取鉱物〜 ベスブ石、灰礬柘榴石、方解石 〜感想〜 このときは、柘榴石とベスブ石の区別がつきませんでしたが、綺麗なものが採れたので、そこそこ満足しています。 この次に、六助沢に向かいました。 ←前の「大黒坑」を見る 続きの「六助沢」を見る→ ↑上へ戻る |