八岡海岸
訪問日 | 2006年1月3日(火) 2007年2月25日(日) 2008年1月14日(月) 2009年1月4日(日) |
場所 | 千葉県鴨川市 |
天気 | 一回目…晴 二回目…曇 三回目…曇 四回目…晴 |
同行者 | 一回目…父 二回目…父 三回目…父 四回目…父 |
管理体制 | Free |
産出鉱物 | ソーダ沸石、方解石 |
疲労度 | ★ |
危険度 | ★★ |
オススメ度 | ★★ |
備考 | 海岸沿いの産地なので、潮の干満には十分に気をつける。干潮時に採集することを勧める。 |
1、産地概要 千葉県鴨川市にあるこの産地は、名の通り海岸沿いにある産地です。 ここでは、沸石等が採れるのですが、サイズは小さく、母岩も硬いので、なかなかマイナーな産地となっています。 また、海沿いの産地なので、満潮時には危なくてなかなか採集できません。 それでも千葉県の数少ない鉱物産地の一つなので、1回は観光と組み合わせて行ってみてもいいかもしれません。 2、産出鉱物各論 1)、方解石 Calcite 化学組成 CaCO3 炭酸塩鉱物 方解石は、石灰石や大理石、さらには洞窟にある鍾乳石を構成している鉱物で、セメントに使われたり、建物の床や壁に使われたりと用途は幅広い。 ここの産地では、案外沸石と間違えやすいので、注意が必要。 2)、あられ石(霰石) Aragonite 化学組成 CaCO3 炭酸塩鉱物 方解石と同じ化学組成だが、結晶構造が異なり、こちらのほうが空気中では不安定。 空気中で加熱すると、方解石に相転移する。 色は白色か無色のものがほとんどだが、稀に水色のものも産出する。 3)、石英 Quartz 化学組成 SiO2 酸化鉱物(珪酸塩鉱物) ここでは、めのうとして産し、赤や白など、様々な色のめのうが採れる。 4)、斜灰簾石 Clinozoisite 化学組成 Ca2AlAl2(Si2O7)(SiO4)O(OH) 珪酸塩鉱物 緑簾石グループの一種で、灰色〜緑色のガラス光沢で、単斜晶系の鉱物。 これと同じ化学組成で斜方晶系の鉱物が灰簾石(zoisite)で、どちらもマンガンを含むと鮮やかなピンク色になり、「桃簾石(thulite)」と呼ぶようになり、バナジウムを含むと青色になり、「タンザナイト(tanzanite)」と呼ぶ。 このタンザナイトは、宝石として加工されることもある。 そして、運がよければここで鮮やかなピンクの桃簾石を採集することができる。 5)、魚眼石 Apophyllite 化学組成 KCa4Si8O20(F,OH)・8H2O 珪酸塩鉱物 魚眼石は主に3種類のものがある。一番一般的で産出量が多いのが、弗素魚眼石(fluorapophyllite KCa4Si8O20F・8H2O)で、色は無色や白、ピンク、緑、黄色や紫色のものがある。 次に多いのが、水酸魚眼石(hydroxyapophyllite KCa4Si8O20(OH,F)・8H2O)で、色は無色と白色のものがある。。 上記の二つは正方晶系だが、岡山で発見された新鉱物「ソーダ魚眼石(natroapophyllite NaCa4Si8O20F・8H2O)」は斜方晶系である。このソーダ魚眼石は産出がごく稀で、産出場所も限られていて、色は褐色しかない。原産地は岡山県高梁市山宝鉱山。 6)、濁沸石 Laumontite 化学組成 Ca4[Al8Si16O48]・18H2O 珪酸塩鉱物 工業的にも医学的にも重要な沸石族の一種で、白色の結晶として産する。 この沸石は、空気中では結晶の形を保てないので、水の中に入れる必要がある。 7)、ソーダ沸石(曹達沸石) Natrolite 化学組成 Na2[Al2Si3O10]・2H2O 珪酸塩鉱物 透明〜白色の柱状結晶として産する。 放射状にのびている標本が有名。 8)、方沸石 Analcime 化学組成 Na[AlSi2O6]・H2O 珪酸塩鉱物 透明〜白色で、ザクロ石のような形の結晶として産する、代表的な沸石。 色々な形があり、沸石の中では産出量が多いほうである。 日本では五十川産のものが有名であるが、採集禁止である。 9)、トムソン沸石 Thomsonite 化学組成 Ca2Na[Al5Si5O20]・6H2O 珪酸塩鉱物 トムソン沸石は針状結晶として産するが、針状結晶が集合して球状になったりと、鑑定の難しい鉱物である。 10)、頑火輝石 Enstatite 化学組成 Mg2Si2O6 珪酸塩鉱物 マグネシウムを主成分とする斜方輝石(斜方晶系の輝石のこと)のこの石は、別名「金星石」とも呼ばれていて、黒色〜灰緑色〜黄褐色の柱状結晶が放射状に伸びている。 11)、透輝石 Diopside 化学組成 CaMgSi2O6 珪酸塩鉱物 マグネシウムとカルシウムを主成分とする単斜輝石(単斜晶系の輝石のこと)のこの石は、通常は白色だが、クロムを含むと緑色になる。 MgがMnに置換するとヨハンセン輝石になり、MgがFe2+に置換すると、灰鉄輝石になる。 12)、普通角閃石 Hornblende 化学組成 Ca2(Mg,Fe)4Al(AlSi7O22)(OH)2 珪酸塩鉱物 この石は、カルシウムを含む角閃石の仲間で、名の通り、普通に産する。 普通角閃石自体は独立種としては認められていなく、成分によって、苦土普通角閃石 (magnesiohornblende Ca2[Mg4(Al,Fe3+)]Si7AlO22(OH)2 )と鉄普通角閃石(ferrohornblende Ca2[Fe2+4(Al,Fe3+)]Si7AlO22(OH)2 )に分けられる。色は緑〜黒。 13)、セラドン石 Celadonite 化学組成 K(Mg,Fe)2(Fe,Al)Si4O10(OH)2 珪酸塩鉱物 地味でよく分からない鉱物で、青みがかかった緑色の皮膜状の鉱物が本鉱で、霰石がある晶洞の壁を覆っていたり、沸石に伴って産出するのだが、よく分からない。 14)、中性長石 Andesine(andesite) 化学組成 (Na,Ca)Al(Al,Si)Si2O8 珪酸塩鉱物 斜長石族のこの石は、アンデス山脈が名前の由来らしく、とてもマニアックで目立たない鉱物だと思われていたが、コンゴでとても綺麗なものが発見されて一時期話題になったが、今ではまたマニアックな長石の座へとついている。 3、採集記 第一回 2006年1月3日(火)採集 第二回 2007年2月25日(日)採集 第三回 2008年1月14日(月)採集 第四回 2009年1月4日(日)採集 第一回 2006年1月3日(火)採集 自分は今まで山沿いの産地ばかりに行っていて海沿いの産地には一度たりとも出向いたことがなかった。 ちょうど冬で山にも行けないので(うちはチェーンやスノータイヤはつけない!!)、海沿いにある産地に行ってみることにした。 朝の6:00に家を出発、高速を利用して鴨川へと向かう。 鴨川の中心部から少し南に行ったところの、鴨川港のあたりが産地である。 高速に乗って千葉県の鴨川方向へ向かいます。 この産地に来るのは初めてだったせいか、最初は反対側の海岸に行ってしまった。 何度か海岸に降りる場所を間違えつつも、無事に産地に辿り着くことが出来た。 八岡海岸は「鴨川松島」という島に目の前にある海岸で、沸石や方解石等を産出するとのこと。 行った時はちょうど干潮の時刻で、広い範囲で沸石を探すことができた。 が、まだ鉱物採集を始めたばかりで、どれが沸石なのかは分からず。 とりあえず白い脈がついている石を、適当に持ち帰ることとした。 〜採取鉱物〜 結局、方解石とめのう。。 〜感想〜 今回、初めて海沿いの産地を訪れ、山のほうがいいと思った。 ↑上へ戻る 第二回 2007年2月25日(日)採集 冬。冬になるとどうしても、山の方にある鉱物産地には行けなくなる。 雪が積もると、普通の人は(多分)採集する気がなくなるであろう。 さらに、うちの車のタイヤはスノータイヤじゃないうえ、チェーンがついていないので、山のほうには行けない。 そうなると、必然的に海岸の産地に行くことになり、海岸の産地で近場というと、「八岡海岸」しか知らないので、ここに行くことにした。 父のサーフィンのついでにこの産地に寄るので、今回は朝の3:30に家を出た。 「和田」というところで父がサーフィンをしたあと、八岡海岸に向かう。 八岡海岸は太海駅の近くにある「鴨川松島」のすぐ近くにあり、鴨川松島と鴨川港が見える。 鴨川松島のバス停から海岸へ下りて、鉱物を探す。 少し採集して飽きた自分達は、前来た時には行かなかった採石場のほうへ行ってみることに。 …特に何の鉱物もない。 ということで、家に帰宅。。 〜採取鉱物〜 良く分からない沸石と方解石。 〜感想〜 今回、データが消えたせいか写真がないのが残念である。 特に感想はなし。。 ↑上へ戻る 第三回 2008年1月14日(月)採集 冬は、山のほうは雪が積もっていけないので、海岸沿いの鉱物産地を調べていた。 家から近く、海といえば千葉県というイメージが強いからか、千葉県の鉱物産地を徹底的に調べることに。 すると、「平久里中」という産地の名が出てきたので、父のサーフィンにつきあうかわりに(?)、八岡海岸と共に連れて行ってもらうことに。 朝の4:30に家を出発。 適当に高速を進み、鴨川方面へと向かう。 父のサーフポイントの一つの「和田」というところに到着し、適当に父のサーフィンが終わるのを待ち、サーフィンが終わると共に、「八岡海岸」に向かった。 ここを訪れるのは3回目(4回目という説もあるが・・・)なので、迷うことはもちろんなく、スムーズに産地に到着。 ←鴨川松島。 ←八岡海岸。石がゴロゴロと落ちている。 早速海岸に降りて採集を開始するが、3回目だからか、または寒いからか、やる気が出なかったので早々に退散し、このまま帰るのは癪(?)なので、「千葉県の鉱物」という薄い本に載っている産地をしらみつぶしに探索することに。 まずは、場所がある程度分かっている「平久里中」というところに向かうことに。 ←どこかの採石場で撮ったもの。平久里中ではない。 「新屋敷」という産地を探索しつつ、「平久里中」を目指す。 最初に大きな採石場に向かったが、入ってはいけない雰囲気だったので、引き返す。 次に適当なところで川原に降りたが、上流に牧場でもあるのか、・・・牛の糞臭かった。。 そのせいかやる気をなくし、他の産地を探すことに。 その後、「小保田」、「関沢」、「元名」、「下佐久間」という産地を探したが、1つも産地を発見することはできず。 ただ、探索している途中、なぜか化石の産地を発見し、化石を採集したので、何とかスカは免れて良かったと思う。 〜採取鉱物〜 普通角閃石(hornblende)と謎の鉱物のみ。 〜感想〜 八岡については3回目の訪問だからか飽きてしまい、あまりいいものを採集できなかった。 ここは海岸の産地なので、くれぐれも波には気をつけてほしいと思う。 平久里中に関しては、産出鉱物について詳しく述べているわりには、何も採集できなかった。 だが、大きな採石場と化石産地を見学することができたので、良かったと思う。 今度こそは絶対平久里中の本産地に辿り着こうと思う。…行く事があればだが… ↑上へ戻る 第四回 2009年1月4日(日)採集 工事中。(しもさくま) ↑上へ戻る |