第二回「元素と鉱物」 |
皆さんこんにちは。入門鉱物学の第二回では、鉱物が何の物質から出来ているか「元素」についておさらいしつつ、詳しく説明をしていこうと思います。 1、鉱物は何で出来ているのか? 鉱物は何で出来ているのか。 当たり前のことですが、鉱物は物体なので何らかの物質(成分)から構成されています。 その何らかの物質とは、ズバリ、元素です。 これも当たり前のことですが、鉱物は元素によって成り立っています。 鉱物は種類ごとに様々な元素で成り立っています。 化学物質を何の元素で構成されているかを表した式を化学式といい、物質の元素組成を示す化学式を組成式(一般式)と呼びます。 鉱物が何の物質で出来ているかを示す式は、これらをあわせて化学組成式と呼ばれています。 例えば、炭素(C)で構成されているダイヤモンドの化学組成式は「C」と表されます。 ところで、1つの鉱物種はほぼ均質な成分から成り立っています。 「ほぼ」というのは、純粋に組成式どおりの成分配合で成り立っている鉱物は実際少なく、不純物が原子レベルで混ざっていることがほとんどだからこそつく言葉です。 鉱物の結晶構造についてはは一定量までならば組成外の元素を含んでいても維持することができます。 この組成外の元素のことを一般的に固溶体と呼びます。 固溶体を難しく説明すると、2種類以上の元素(金属の場合も非金属の場合もある)が互いに溶け合い、全体が均一の固体となっているものをいいます。 さらに鉱物の場合、1つの鉱物種に含まれているある成分とある成分との比率がどんなものでも同じ原子配列が維持されるものを連続固溶体と呼びます。 例をあげると、橄欖石は、Mg(マグネシウム)とFe(鉄)の珪酸塩鉱物ですが、Mgの量がFeの量より多いと「苦土橄欖石」、逆だと「鉄橄欖石」と呼ばれます。 これは「50%則」によるもので、固溶体を形成する鉱物を命名するときは、2つの成分の固溶体の場合、含有量50%を境界として鉱物名を分けるというもので、ようするに、2つの成分の固溶体の場合、どちらかが50%を超えていたらそちらよりの名前をつけるというものです。 橄欖石の場合、FeがMgに対して50%より多い場合、「鉄橄欖石」と呼びます。 また、この際、橄欖石の組成式は(Fe,Mg)2SiO4と表します。逆に、Mgの方が多いときは、(Mg,Fe)2SiO4と表します。 2、元素 先述したように、鉱物は様々な元素により成り立っていて、何の元素で構成されているかを表す化学組成式を見ることによって、理解が深まるとともに、鉱物の種類の特定にもつながります。 なので、ここで元素についても説明をしていこうと思います。 元素とは、物質を構成する要素(成分)で、一つ一つの元素はものすごく小さいです。 元素は原子の陽子の数によって分類され、元素を周期律(元素を原子番号順に配列すると、それぞれの性質が一定の周期性をもって変化すること)に従って表にしたものを元素周期表と呼びます。 大半の鉱物は、主要な元素の特徴等を覚えることによって、何の元素で出来ているのか、どのような物質なのか分かります。 大体、1〜40番ぐらいまでとタングステンや水銀などの主要な元素を覚えれば大体の化学組成は分かります。 ここでは周期表を載せませんので、皆さん是非調べてみてください。 まとめ 今回学んだことで重要なことをもう一度おさらいしたいと思います。 1、鉱物は元素(物質)によって構成されている。 2、鉱物が何の元素で出来ているかを表す式を化学組成式という。 3、2種類以上の元素(金属の場合も非金属の場合もある)が互いに溶け合い、全体が均一の固体となっているものを固溶体という。 4、1つの鉱物種に含まれているある成分とある成分との比率がどんなものでも同じ原子配列が維持されるものを連続固溶体と呼ぶ。 5、元素は原子の陽子の数によって分類される。 6、大半の鉱物は、主要な元素の特徴等を覚えることによって、何の元素で出来ているのか、どのような物質なのか分かる。 |