水晶峠2

1、始めに

水晶峠は、山梨県にある有名な水晶の産地で、以前、自分もここを訪れたが、川を渡ったところで道が分からなくなり、撤退した覚えがあるので、今度はリベンジということで、この産地を訪れることにした。



2、産出鉱物

1)、石英 quartz 化学組成 SiO2 酸化鉱物

・水晶 rock crystal 

「紫水晶 amethyst」

名の通り紫色に見える水晶のことだが、産出量が少ない上、色がとても薄い。

「山入り水晶(ファントム水晶) Phantom quartz」

ファントムとは英語では、幽霊、お化けと言った意味で、水晶の中に水晶があるのが不思議で、このような名をつけたものと思われる。成因は謎だが、色々な仮説がある。

「緑水晶(草入り水晶) green quartz」

緑水晶と呼ばれているものは、水晶の中に、角閃石や緑泥石が入っていて緑色にみえる水晶で、水晶の透明度が高いと、美しい。

「日本式双晶 Japanese twin」

日本式双晶とは、2つの水晶の結晶がひとつの結晶面を共有し、約90度(84°34’)の角度で接合している水晶のことで、ほぼ直角で形がハート型に見えることから、別名「ハート型水晶」とも呼ばれています。
日本式双晶の水晶は、普通の水晶とは違い、ほとんどの場合、平たい板のような形をしているので、それを単体で「平板水晶」、双晶だと「平板双晶」などということもあります。
有名な産地といえば、山梨県の乙女鉱山や長崎県の奈留島があげられますが、現在では採集禁止となっています。

この他には、並行連晶や鋭錐石付きの水晶など、たくさんの種類の水晶があります。

2)、鋭錐石 anatase 化学組成 TiO2

ルチル(金紅石)、板チタン石と同じ化学式 TiO2 を持っているが、構造は異なっている。このようなものを、同質多形という。
色は黒〜褐色、黄色、青のものがあり、この産地では水晶に付着して産する。

3)、武石 limonite  酸化鉱物

武石とは、黄鉄鉱が結晶の形を残したまま主に褐鉄鉱に変化したもののことで、これを「褐鉄鉱の仮晶」という。
分かりやすくいうと、サイコロの形を残したまま、材質だけ変わるということだ。
代表的な産地は、長野県の武石村(たけしむら)で、ここで採れたのが名前の由来で、全国に浸透してしまっている。
ちなみに、立方体のものは正式には枡石というらしい。

4)、苦土電気石 dravite 化学組成 NaMg3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4

マグネシウムを主成分とする電気石の仲間で、英名はオーストラリアの地方名「ドレープ」にちなむ。
苦土とは、日本語でマグネシウムの意味らしい。黒色針状結晶。

3、採集記

僕は朝5:00に家を出た。
中央自動車道を西に進み、勝沼ICで高速を降りて、いつものルートを辿る。
いつもなら焼山峠という場所を経由していくのだが、今回は別の新しいルートから水晶峠を目指した。
水晶峠を目指す途中、今はなき某有名鉱山の入口があった。

 ←某有名鉱山の入口。入山禁止の看板があった。

水晶峠の産地への登山口に車を停めて、午前8:20にいざ歩き出す。

 ←入口の写真。

少し下った後、左に曲がり、昔林業に使われていたと思われる廃線跡をずっと辿っていくと、山の斜面側(左)に、何でもない広場らしきものが現れた。
その辺からまた谷へと下っていき、水晶峠に行ったことがある人なら分かるであろう有名なポイントに到着した。

 ←廃線跡。これを辿っていく。

 ←某有名ポイント。しかし・・・

だが、そこには・・・「橋がない。」
ここには名物の一本橋があり、前はここを渡って対岸に行ったのだが(父は帰りに落ちた。)、今回はその橋が流されていた。
「どうする?なるべく川の中を渡りたくはないし・・・」
そこで周囲を散策したところ、このページの一番上の写真にあるような、丁寧な木の橋を発見した。
そこを無事通過すると、前は発見できなかった登山道があった。
そこから近道らしきところを適当に通りつつ、9:20頃に水晶峠に到着した。
ズリは掘り返された跡が凄かった。
まあ、そこで採集を開始したのだが、久しぶりに水晶が普通に採れるところに来たので、ついつい興奮してしまった。
そこそこ良品を採集した僕達は、11:30頃に産地を撤退し、帰りの橋でも誰かが落ちることなく、12:30頃無事駐車場に到着した。

 ←ズリ。とても広い。

その後は、どこかでほうとうを食べ、帰った。

4、採取鉱物

1)、石英 quartz(水晶 rock crystal)

写真準備中

2)、武石 limonite

5、終わりに

今回、前回のリベンジをはたせてよかったです。
他のHPでは、ここは子供連れでも楽とありますが、体力の問題はともかく、ここの登山道は迷いやすいので、十分な経験者がいることが条件です。(自分含)
一つ忠告をすると、慣れていない人は、近道を探そうとせず、正規のルートを辿ったほうがいいです。


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