茂倉沢鉱山

訪問日 2008年3月16日(日)
場所 群馬県桐生市
天気
同行者 父、母
管理体制 Free
産出鉱物 長島石、鈴木石
疲労度 ★★
危険度 ★★
オススメ度 ★★
備考 特になし。

1、産地概要



2、産出鉱物各論

1)、黄鉄鉱 Pyrite 化学組成 FeS2 硫化鉱物

説明をする必要がないほどポピュラーな鉱物。
ここでは、母岩に小さな立方体結晶がたくさん付着しているものを産出する。

2)、閃マンガン鉱 Alabandite 化学組成 MnS 硫化鉱物

黒色で粉末にするとニンニクのような臭いがするこの鉱物は、トルコの「alabandite」地方で最初に発見されたことが英名の由来となった。
アラバンド鉱とも呼ばれている。

3)、菱マンガン鉱 Rhodochlosite 化学組成 MnCO3 炭酸塩鉱物

赤〜ピンク色の塊・結晶として産する。
マンガンの中ではもっともポピュラーなものであり、多量に産する。
ここでは、ピンク色の塊として普通にみられる。
 
4)、緑マンガン鉱 Manganosite 化学組成 MnO 酸化鉱物

この鉱物は名前の通り緑色をしていて美しいのだが、割って空気に触れた直後から酸化が始まり、2・3日すると、完全に緑色がなくなり、黒っぽくなってしまう。
永久保存は難しいので、これを発見したらすぐに写真を撮ることをオススメする。
ちなみに、なかなか産出しない貴重なもの。
 
5)、軟マンガン鉱 Pyrolusite 化学組成 MnO2 酸化鉱物

黒色をしている鉱物で、他のマンガン鉱が酸化してできる。
軟マンガン鉱と同じ組成を持つ鉱物が、ラムスデル鉱である。
 
6)、石英 Quartz (水晶 Rock crystal) 化学組成 SiO2 珪酸塩鉱物

どこでも普通に産出するといっていいほどポピュラーな鉱物。

7)、テフロ石 Tephroite (マンガンかんらん石) tephroite 化学組成 Mn2SiO4 珪酸塩鉱物

橄欖石グループの一つで、菱マンガン鉱やアレガニー石などと共産する
 
8)、バラ輝石 Rhodonite 化学組成 (Mn,Ca)5Si5O15 珪酸塩鉱物

赤色で輝いている綺麗な結晶が集合して緻密な塊となった鉱物。
輝石とあるが、正式には輝石グループには属さない。(準輝石)
菱マンガン鉱ともやや似ているが、一番区別がつかないのがパイロクスマンガン石。
ここでは、バラ輝石のような結晶はなかなか産出しない。
 
9)、ロスコー(バナジン)雲母 Loscoelite 化学組成 K(V,Al)2AlSi3O10(OH)2 珪酸塩鉱物

本邦では、鹿児島県の奄美大島にある大和鉱山で最初に発見されたこの鉱物は、緑色〜暗緑色のバナジウムを含む雲母で、産出は珍しい。
長島石と区別がつきにくいが、雲母だという点から薄くペラペラと剥がれるのが本鉱である。

10)、長島石 Nagashimalite 化学組成 Ba4(V3,Ti)4Si8B2O27Cl(O,OH)2 珪酸塩鉱物

群馬県桐生市茂倉沢鉱山が原産地のこの鉱物は、暗緑色の長柱状結晶として主にバラ輝石に付着したような状態で見つかる。これも産出は珍しい。

11)、鈴木石 Suzukiite 化学組成 Ba2V2Si4O12 珪酸塩鉱物

岩手県田野畑村田野畑鉱山と群馬県桐生市茂倉沢鉱山が原産地のこの鉱物は、明るい緑色の結晶として、主に石英を含む粗粒のバラ輝石中に見られる。
産出はかなり稀。

3、採集記

第一回 2008年3月16日(日)採集


第一回 2008年3月16日(日)採集 

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茂倉沢鉱山は黒川鉱山と同じく群馬県桐生市にあり、長島石や鈴木石等の珍しい「日本産新鉱物」というものを産出することで有名で、全国から採集家が訪れる産地らしい。

茂倉沢鉱山は茂倉沢林道をずっと進み、途中から沢に入ってずっと進んだ所にあるらしいので、まず茂倉沢林道の入口を見つけ、そこから車で先へと進む。

 ←ここから「茂倉沢林道」に入る。

しかし、林道に入って1分程で分かれ道がでてきて、目的の鉱山に向かう道が倒木で塞がれていたので、仕方なく分岐点付近に車を停めて歩き始めることに。

 ←ここを右に進む。左に行くと「茂倉のお釈迦様」。

薄暗い林道を十数分歩いていくと林道が消え、いつのまにか沢となる。
沢に入り適当に登っていったが、時間との関係で、マンガン鉱をいくつか見つけただけで、坑口とズリは発見できなかった。

〜採取鉱物〜

バラ輝石のみ

〜感想〜

この産地には期待していただけにズリはおろか、坑口すら見つけられなかったのは残念である。
今度来ることがあれば、この産地に詳しい人と一緒に行きたいと思う。。

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