多田鉱山

訪問日 2009年8月15日(土)
場所 兵庫県猪名川町
天気
同行者
管理体制 Free(一部採集禁止)
産出鉱物 斑銅鉱、青鉛鉱、孔雀石
疲労度
危険度
オススメ度 ★★★
備考 特になし。

1、産地概要

兵庫県猪名川町にあるこの鉱山は、斑銅鉱や青鉛鉱等、多くの鉱物を産出することで非常に有名で、銀や銅等を多量に産出した。
産地は広範囲に渡り、いくつかの坑道や露頭は一般公開されていて、素人でもそこそこ楽しむことが出来る産地である。

2、産出鉱物各論

1)、自然銀 Silver 化学組成 Ag 元素鉱物

皆さんご存知のはずの元素鉱物。
色は主に銀白色で、酸化するとだんだん黒っぽくなっていく。
ひげ状、樹皮状、箔状等、いろいろな形状で産する。
本鉱山では銅鉱石と銀鉱石を採掘していた。

2)、自然銅 Copper 化学組成 Cu 元素鉱物

皆さんご存知のはずの元素鉱物。
色は主に赤銅色で、酸化するとだんだん黒っぽくなっていく。
塊状や樹皮状で産出することが多い。
銅鉱石の一種で、本鉱山では銅鉱石と銀鉱石を採掘していた。

3)、黄銅鉱 Chalcopyrite 化学組成 CuFeS2 硫化鉱物

真鍮色(黄色のようなもの)金属光沢の鉱物で、自形結晶を成すものもあり、その形状は変化に富み、大変おもしろい鉱物です。
黄鉄鉱と似ているのですが、黄鉄鉱のほうが輝きが強く、金色に近いうえ、黄銅鉱は脆いので案外簡単に見分けがつくと思います。

4)、斑銅鉱 Bornite 化学組成 Cu5FeS4 硫化鉱物

銅の鉱石の一種で、基本は赤褐色だが、空気中で変色し、青紫色になるので意外と目立つ。
この産地のものは有名。

5)、輝銀銅鉱 Stromeyerite 化学組成 AgCuS 硫化鉱物

鋼灰色をした鉱物で、産出は珍しい。

6)、黄鉄鉱 Pylite 化学組成 FeS2 硫化鉱物

非常にポピュラーな硫化鉱物。この鉱山では、普通に産する。

7)、方鉛鉱 Galene 化学組成 PbS 硫化鉱物

黒色に近い灰色で金属光沢を持つ鉱物で、立方体の結晶として産するので、区別が容易です。
この方鉛鉱は、鉱石ラジオの最初の検波に利用されたらしいです。

8)、石英 Quartz 化学組成 SiO2 酸化鉱物

どこでも産出するといってもいいほどポピュラーな鉱物。
一時期、瓢箪大露頭の周辺から水晶が採掘され、ブームになったらしい。

9)、蛍石 Fluorite 化学組成 CaF2 ハロゲン化鉱物

モース硬度計の硬度4の基準鉱物で、ポピュラーな鉱物である。
色は透明なものから紫、緑、青など様々なものがあり、形も正八面体や立方体などがありなかなかバリエーションがある。

10)、青鉛鉱 Linarite 化学組成 PbCu(SO4)(OH)2 硫酸塩鉱物

名のとおり、主に青色の針〜柱状結晶として産する。
この産地では、大体、皮膜状のベッタリとしたものを産出する。
青色の美しさが目立つせいかたくさん拾われてしまい、良品は掘らないとほとんど出ないが、この産地はまだ産出量が多い方。

11)、白鉛鉱 
Cerussite 化学組成 PbCO3 炭酸塩鉱物

鉛を主成分とするこの鉱物は、名の通り主に白色のものが多く、意外に重い。
方鉛鉱、重晶石等と共産する。

12)、緑鉛鉱 Pyromorphite 化学組成 Pb5(PO4)3Cl 燐酸塩鉱物

名のとおり、緑色や黄色、橙色などの様々な色の様々な形状の結晶で産し、コレクターに人気のある鉱物。主に中国で産出する。国内では岐阜県神岡鉱山などが有名。

13)、孔雀石 Malachite 化学組成 Cu2CO3(OH)2 炭酸塩鉱物

緑色皮膜状の鉱物で、この産地ではよく産出するが、似ている鉱物が多いため、鑑定には注意が必要。銅鉱石の一種。

14)、藍銅鉱 Azurite 化学組成 Cu3(CO3)2(OH)2 炭酸塩鉱物

銅鉱石の一種で、美しい青色のため、岩絵具にも使われ、「群青」と呼ばれることもある。
孔雀石と共生して産出することが多いため、精製が難しく、孔雀石からとれる「緑青」の10倍の値で取引されることもあったという。ちなみに、群青60gで米一俵買えるほどだったらしい。
ここでは、小さい結晶の藍銅鉱が産出する。(青鉛鉱とやや判別しづらい)

15)、カレドニア石 Caledonite 化学組成 Pb5Cu2(CO3)(SO4)3(OH)6 

硫酸塩・炭酸塩鉱物

青緑色をした柱状結晶が放射状等に集合した本鉱は、非常に綺麗。
この産地では比較的産出が珍しい。

その他、様々な種類の鉱物を産する。


3、採集記

第一回 2009年8月15日(土)


第一回 2009年8月15日(土)

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4日目

朝。早朝採集がないので普通に起き、早めに朝食を食べ、ドリンクサービス券を使ってドリンクを飲んだ後、母と別れ、出発。
奈良市を西に進み、第二阪奈道路という有料道路に乗る。
さすが奈良、ここも2車線で快適に進むことが出来た。
大阪に入り、都市部の複雑な道を進んでいくのだが、次々と現れる分岐道でかなり緊張した。
朝っぱらから渋滞している中国道(宝塚付近)を下に見つつ、箕面の辺りで高速を降りる。
そこから兵庫県に入り、猪名川町銀山を目指す。
この銀山というのは地名であり、多田鉱山の知名度が高いことが何となく分かる。
多田地区に入ると、まずは瓢箪間歩という坑道の方へ行ってみることに。
すると、「瓢箪間歩大露頭」というものがあったので、とりあえず登ってみることに。

 ←大露頭。かなりでかい。

上まで登って、他の露頭らしき所へ行くと、先客がいて、兵庫県在住らしいその方は、早朝に十六人間歩の方で蛍石を採集して来たらしく、1つ分けてくださった。
以前、この露頭で水晶が発見され話題になったらしいが、今はもう採れないとのこと。
その人に、砂利池の情報を聞き、砂利池の方に向かう。
砂利池の近くに車を停め、歩くこと約10分。砂利池の近くのズリに到着した。

そこには、サイズは小さいが、青鉛鉱が結構落ちていてやや期待が高まるが特に珍しい鉱物を採集することは出来なかった。
30分ぐらい表面採集をした後、車に戻り、青木間歩の中を見学。

 ←青木間歩の入口。丁寧に看板がある。

青木間歩は、無料で入れる坑道で、何故かライトが付いていて、ヘルメットがおいてある謎の場所。結構人がいたので驚いたのは言うまでもない。

その後大阪に戻り、今、大阪石で話題になっている平尾旧坑を見に行くことに。
が、30分ぐらい探しても見つからないので、秦野鉱山に向かう。
が、周りに駐車スペースがなく、歩くのが面倒だったのでやめて、大平鉱山に向かう。
が、周りに駐車スペースがなく、探索するのが面倒になってきたので最後の希望の大萱原鉱山(おおすがはらこうざん)に向かう。
坑口は見つかったが、周りに鉱物はなく、探索する気がすでに失せていたので、撤退することにした。

 ←大萱原鉱山の坑口。水が流れ出ている。

そして、新大阪駅から帰宅。


〜採取鉱物〜

青鉛鉱と孔雀石。すぐ分かるのはこのくらい。

〜感想〜

結果的に、今回の旅行で一番楽しかった場所を1日毎に紹介すると・・・

 1日目 ホテル

 2日目 ホテル

 3日目 旅館

 4日目 多田鉱山

3日間が宿泊場所となってしまうほど、最初の3日間は面白くなかった。
とりあえず、今回旅行に連れて行ってくださった母と、運転及び鉱物採集に付き合ってくださった父に感謝したいと思う。


〜参考文献〜

関西地学の旅 宝石探し 大阪地域地学研究会・著

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