和久観音鉱山
訪問日 | 2010年8月27日(金) |
場所 | 福島県石川町 |
天気 | 晴後曇 |
同行者 | ○○○中高地学部 |
管理体制 | 許可制(石川鉱石採掘跡保存会)、見学一部可能 |
産出鉱物 | ペグマタイト系、電気石等 |
疲労度 | ★ |
危険度 | ★ |
オススメ度 | ★★ |
備考 | 特になし。 |
1、産地概要 有名なペグマタイト産地である石川町でも特筆に値する鉱山。 「石川鉱石採掘跡保存会」が管理をしていて、断れば見学や採集をすることが出来る。鉱体は主に4つあり、基本はそのうち3つまでを公開している。 第一鉱体は坑道となっていて、入口の扉を開けてもらう形になる。 第二鉱体の前は広い広場となっており、落ち着いて採集することができる。 第三鉱体の前にも広い広場があるのだが、目をひくのが大きな穴で、かつてはここで採掘をしていたのかと思われる。 第四鉱体は大きくくり貫かれた穴の天井が大きな電気石でビッシリと埋め尽くされている。 石川町の鉱物産地の中では最も採集しやすい場所かもしれない。 2、産出鉱物各論 1)、石英 Quartz 化学組成 SiO2 酸化・珪酸塩鉱物 この産地のものは放射能を浴びたせいか、黒色のものが多い。 2)、ジルコン Zircon 化学組成 ZrSiO4 珪酸塩鉱物 ジルコニウムの珪酸塩鉱物。希元素を微量に含むものを「変種ジルコン」といい、本産地のものは主に変種ジルコンである。 3)、チタン鉄鉱 Ilmenite 化学組成 FeTiO3 酸化鉱物 チタンの重要な鉱石で、僅かに磁性をもつ。色は黒。 4)、モナズ石 Monazite-(Ce) 化学組成 CePO4 燐酸塩鉱物 希元素鉱物の代表格。やや黄色がかった赤褐色で、普通は小さな結晶が単体で産出したりする。普通のモナズ石はセリウムを最も多く含むため上記のような英名や化学組成になっているが、正確には「モナズ石Monazite-(Ce) (Ce,La,Nd,Th)PO4」、「ランタンモナズ石Monazite-(La) (La,Ce,Nd)PO4」、「ネオジムモナズ石Monazite-(Nd) (Nd,La,Ce)PO4」の3つが存在する。 5)、フェルグソン石 Fergusonite-(Y) 化学組成 YNbO4 酸化鉱物? 希元素で構成されている鉱物。ウランやトリウムを微量に含むため、放射性がある。 6)、褐簾石 Allnite-(Ce) 化学組成 (Ca,Ce,Y)2(Al,Fe)3(SiO4)3(OH) 珪酸塩鉱物 緑簾石グループの希元素鉱物で、黒色〜褐色の結晶として産出。 7)、鉄電気石 Schorl 化学組成 NaFe3Al6(BO3)3Si6O18(OH,F)4 珪酸塩鉱物 電気石グループにおいて、最も多く産出する鉱物。ナトリウムと鉄を含む黒い三方晶系の鉱物で、条線は柱面において縦に顕著である。 8)、白雲母 Muscovite 化学組成 KAl2(AlSi3O10)(OH,F)2 珪酸塩鉱物 この産地においては普通に見られる鉱物で、そこそこの厚さのもので5cm四方を超えるものも結構ある。 9)、黒雲母 Biotite 化学組成 K(Mg,Fe)3AlSi3O10(OH,F)2 珪酸塩鉱物 金雲母 Phlogopite(KMg3AlSi3O10(OH,F)2)と鉄雲母 Annite(KFe3AlSi3O10(OH,F)2)の中間組成の固溶体の属名で、現在では独立した種類としてみなされていないが、一応あげておく。名の通り黒色の雲母。 3、採集記 第一回 2010年8月27日(金) 第一回 2010年8月27日(金) 続きの「猫啼鉱山」を見る→ 1日目。私が所属している○○○中高の地学部は、まずいわき市アンモナイトセンターを見学。その後、そのすぐ近くにある化石産地にて化石を採集。そして宿の「山清旅館」に泊まる。 そして2日目。まず最初に、「石川町立歴史民俗資料館」を見学。 名前とは裏腹に、1階はほとんど鉱物や岩石の展示があり、圧巻される。 そこでの見学を終えた後、石川鉱石採掘跡保存会の案内のもと、和久観音山鉱山跡(パンフにはこうあった)に向かう。 バスを降り、まず第二鉱体へ向かう。 第二鉱体は30mの山の上から広がる大きな露天掘りの後で、そこにあった花崗岩やらが崩れて小さな広場の上にたくさん転がっている。 そこで採集するのだが、光に照らされて光る雲母がかなり目立った。 私は採集開始小10分くらいで、質のよい柱状結晶が明瞭な鉄電気石を採集させていただいた。 次に、3つにグループを分けて、すぐ近くの第一鉱体を見学。 第一鉱体は奥行き25mくらいの坑道で、昔は湧き出る水をポンプでくみ上げて外に排出していたらしいが、今はそのポンプが稼動していないせいか、ほとんどが水没している状態であった。 第一鉱体の見学を終えた後は、第三鉱体。ここは第二よりも全然凄く、これまた質の良い鉄電気を採集させていただいた。 この第三鉱体には大きな縦穴のような坑道や、横に伸びる坑道があり、スケールが大きかった。ここで昼も済ませ、最後に第四鉱体へと向かう。 どうやらこの鉱山、奥の鉱体へ進めば進むほど鉱物のスケールが大きくなるらしく、第四鉱体の大きくくり貫かれた穴の天井には数十cmをゆうに超す電気石がボコボコあった。 これにはさすがの私も絶句。 ここでの採集&見学を終えたあとは、一同猫啼鉱山へと向かった。 〜採取鉱物〜 ・石英 Quartz ・長石 Feldspar ・鉄電気石 Schorl ・白雲母 Muscovite ・黒雲母 Biotite 〜感想〜 この産地は非常に勉強になる産地で、なかなか良かったです。 ここは次も訪れたいと思いました。 続きの「猫啼鉱山」を見る→ ↑上へ戻る |