玉山金山

訪問日 2008年8月14日(木)
場所 岩手県陸前高田市
天気 曇時々雨
同行者
管理体制 Free(一部採集禁止や立入禁止)
産出鉱物 石英(水晶)、自然金
疲労度
危険度
オススメ度 ★★★
備考 特になし。

1、産地概要

この金山は、名の通り金が採れる鉱山で、奈良時代以降、陸奥地方は大量の産金で有名だったので、安土桃山時代に、豊臣秀吉が伊達政宗からこの金山の権利を奪い、直轄地にしたという逸話があり、当時の産金量がいかに莫大であったかが分かります。
玉山金山には主に千人坑と和右エ門坑の二つの坑があり、どちらも金を多く産出しました。
千人坑は玉山金山最盛期の主坑といわれており、一時は「玉千軒余」といわれおおいに繁盛しましたが、1673年頃から次第に産金量が減少し、黄金の牛とともに坑夫千人が落盤の下敷きとなって死んだという「オソトキ」(飯炊きの女)の伝説を残しながら、廃坑のみが当時の繁栄の歴史をとどめています。
以来、この坑は「千人坑」と呼ばれ、坑内より流れる清水が名湯「玉の湯」となっています。

  ←千人坑跡と和右エ門坑跡。

一方、和右エ門坑は、瀬戸和右エ門が開坑したことからこの名がつけられていて、1611年に小野寺源太郎が3ヶ月で140万両の金を掘り出したと言われており、最も多く金を産出した坑道でもありました。

この玉山金山で採れる鉱物は金だけでなく、水晶が採れることでも有名です。(玉山とは、水晶の出る山のこと。)


2、産出鉱物各論

1)、自然金 Gold 化学組成 Au 元素鉱物

2)、石英 Quartz(水晶 Rock Crystal) 化学組成 SiO2 酸化・珪酸塩鉱物

3)、緑柱石 Beryl 化学組成 SiO2 珪酸塩鉱物

その他、武石(たけし)等を産出する。

3、採集記

第一回 2008年8月14日(木)


第一回 2008年8月14日(木)

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「和賀仙人鉱山」で黄鉄鉱の立方体結晶を採った僕達は、次はなかなかの質の水晶を産することで有名な「玉山金山」に向かいました。
途中、中尊寺で有名な平泉を素通りし、幽玄洞という観光鍾乳洞と碁石海岸の碁石浜という場所を見学し、玉山金山に到着しました。
碁石浜を見学した僕達は、陸前高田市にある玉山金山に向かいました。
霊泉「玉乃湯」の駐車場に車を駐車し、玉乃湯の施設の中に入ると、玉山金山の水晶などが展示されていました。
鉱物を見ていたら、おかみさんらしき人が玉山金山の水晶を二つくれました。
水晶をもらった後は、駐車場から続いている山道を登っていきました。
鹿避け(猪?)のネットをくぐり、和右エ門坑に向かい、到着次第、採集を開始しました。
しかし、雨が降った後でじめじめしていて、ハエや蚊がたくさんいるうえに、良品の水晶が採れる気配がしなかったので、早めに撤退しました。
ここではとてもきれいな両錐水晶が採れることで有名ですが、採集時間も短かったのでいいものが採れませんでした。

〜採取鉱物〜

石英(水晶) Quartz(Rock Crystal) 化学組成 SiO2 酸化鉱物

 ←ここで採れた水晶。2cmぐらいと小さいが、なかなか綺麗。

〜感想〜

かつては10cmのりょうすい水晶がゴロゴロでたこの有名産地の面影はなかった。
霊泉「玉乃湯」でもらった水晶のほうが立派というのは不本意だったが、仕方ない。

P.S. 後日この産地について詳しく調べてみると、駐車場の下の方に採集ポイントがあったとのこと。これは悔しい・・・

〜参考文献〜

「玉山金山について」 玉山観光開発協議会 編

地球の宝探し 日本鉱物倶楽部 編

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